カウンター 読書日記 ●朝日と読売の火ダルマ時代(6)  第六章
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●朝日と読売の火ダルマ時代(6)  第六章
 
 第六章・第七章を先に紹介して、第二章へ戻ります。

 
 ●第六章 『大衆紙の愚民化工作とダンピング作戦』 

 
 ★外国に住む日本人の情報の源泉

  
 住民や駐在員として米国に住む同胞に質問すれば、故国日本についての情報を知るメディアとして、筆頭に日本の新聞や雑誌をあげるのに続き、日本語テレビだという回答が一般的である。中には地域で発行されている邦字新聞や、NHKの短波放送を聞くと言う人もいるが、私の知る限りではそれは少数派に属すようだ。大部分の人は活字メデイアの持つ威力と魅力のために、国際版を謳った日本の大新聞を購読して、それを読むのが毎日の習慣になり、補う形で雑誌を読むのが普通のようである。

 その点で大新聞の影響力は海外でも絶大だが、国内で支配する3大新聞の朝日、毎日、  読売の顔ぶれに代って、海外市場で脱落した毎日の位置に日経が入り、部数の面では読売、朝日、日経の順になっている。毎日新聞が海外進出から脱落した理由は、経営不振による事業の縮小路線のために、国内の販路を維持するだけで精一杯だからであり、悪戦苦闘する毎日の姿はある意味で心痛事である。これは積極的に社会不正を告発し続け、多くのスキャンダルを告発した社会部に反発し、財界広告を差し止めて兵糧攻めにしたのと、長年続いた経営陣のお家騒動の影響で、経営がガタガタになった結果だと言われている。

 読売の戦後史を『梁山泊の記者たち』という風雲録にまとめ、[鉛筆ヤクザ]の鎮魂歌を残した三田和男記者は、[私の読売時代、毎日新聞では親分子分の派閥がスゴくて、部長が移動すると、部員の半分が移動したという「伝説」があったものだ]と証言しているが、毎日はこうして派閥争いで自滅してしまった。

 また、他社の記者の証言を引用するまでもなく、毎日の外信部長だった大森実が『鉛筆一本』(講談社)の中に、「・・パリ支局長の三好修記者も上田社長の縁故者の世話を頼まれていたが、上田社長は三好支局長をも嫌った。上田の帰国後、田中主幹が私に、まず三好記者交替を示唆したが、小西健吉、谷畑良三両デスクが主幹室に乗りこんで、私事と公事を混同するとは何事か!とネジこんだので沙汰止みになった。三好と私はワシントン以来の親しい仲だったので、私の在任中は彼を替えたくなかった。では、親友の佐藤巧二はどうなるか?論説室の林三郎は外信部デスクに手を回して、佐藤の悪宣伝をやらせた上、佐藤原稿をボツにまでさせた。そして主幹と斎藤編集局長に強引に那須聖を推した。(中略)社内の醜いウラ舞台を紹介しなければならぬことは残念であるが、新聞社も他の企業も変わるものではなかった」と記録を残している。

 毎日OBの同じような報告は幾らでも残っており、板垣英憲も元の上司の歌川編集局長を告発して、一記者としての基本的な道徳・倫理を忘れていた。その第1は野村証券を始めとする、大手証券会社や都市銀行との[癒着]である。証券業界では、特に野村証券の 田淵節也会長とのつながりは、新聞記者の節度を越えるものがあった」という文章を始め、「編集局長に就任してから、歌川氏の恐怖政治は非常に苛酷になった。そうした状況の中で、反歌川派の残党と見られていた経済部のデスクのK氏(現在、ロイター東京支局員)、ベトナム陥落を取材して上田ボーン賞を取り、ワシントン支局でも勇名をはせたH記者 (現在、サンケイ新聞社)らの実力ある前途有望な記者が、歌川氏に意地悪されて次々に退社を余儀なくされていった」と内情を暴いている。

 
 ★アメリカを舞台にした3大紙の勢力分布図

 
 日本人が多く住むニューヨーク近郊の住宅地で、ある機関が個別的に調査した例によると、国際版の各新聞の購読者の比率を較べたら、読売80%、朝日10%、日経3%という数字が出たという。住民の多くがニューヨークで働く駐在員で、その過半数が中流のサラ
リーマンだとしても、この読売の突出した数字には目を見張るものがある。

 そこで、この数字の意味を邦字新聞の編集長に尋ねたら、それは読売のダンピング戦術の結果であり、他紙の半値ちかくだから仕方ないとの答えだった。ついでに知人のジャーナリストに同じ質問をしたら、朝日と日経なくても当然であり、こんな住宅地での調査は余り意味がないという。

 それと似た意見は親しいビジネスマンに多く、ロスやシカゴでも似たような意見を耳にして、成程と納得した記憶が私にはある。アメリカの大学の教授をする日本人学者の本に、新聞記事の引用が読売ばかりなので、ある時なぜ読売だけなのかと質問したら、安いから購読しているせいだと教えられて、唖然とさせられたことを思い出してしまうが、安売り攻勢は意外な効果を生むのである。

 それだけではなく、ある大手商社の副社長の意見は突飛であり、「駐在員は中流の上かも知れないが、問題意識や社会的関心では中流の下だから、中味は問わないので読売で十分満足なのでしょう。日本に帰ればスポーツ紙かマンガ週刊誌だから、たとえ読売でも新聞をとるだけ増しと考えるべきです」と言い放ったのが印象的だった。
 
 発行部数では1000万部を越す読売は日本一であり、850万部の朝日に大きな差をつけているが、一般に読売の読者に下層サラリーマンを始め、職人や水商売に従事する人が圧倒的だ。それに第二章の[インテリが書いてヤクザが売る制度]や第五章の[シェアー争いとダンピング作戦]で論じたように、読売が持って生まれた体質と宿命でもある。

 だから、かつては教養のある日本人は読売新聞を読んだり、読んでいることを知られるのを恥じるだけの心情を持っていた。現にこの傾向は国内に未だ残っているようであり、国立大学の教授の80%が朝日で、18%が読売。官僚の課長以上では、朝日が75%で、読売が25%。また、上場企業の総務部長の55%が朝日で、読売が30%という具合に、どんな人がどの新聞を読むかを、統計は正直に示している。

 
 ★全米を舞台にした販売競争

  
 それにしても読売の安値攻勢は目立っており、アメリカ各地で出版されている日本人向けの出版物に、『経済的でお得な購読料金』という文句を強調して、[他邦字衛星紙との年間購読料金比較]を謳う棒グラフを並べ、いかに読売が安いかを大いに宣伝している。

月間の購読料金がどれだけ違うかを比べれば、3紙の中で一番高い日経は90ドルであり、次の朝日が80ドルであるのに対して、読売は57ドルの安値が売り物である。

 再販制度があって価格統制が支配する日本と違い、アメリカでは真の自由競争が機能しているので、新聞はコストに見合った好きな価格をつけられる。

 だが、クリテイカルであるのは情報の質に関わっており、一見するともっともらしく見える経済原理が、より大きな枠組みで捉えるとダンピングと結びつき、決して経済原則に従っていないことは大いに問題である。

 私の読者には読売の記者やOBが可なりいて、親しくつきあっている人も多いが、彼らの証言では読売の海外販売は大赤字であり、安売りは超ダンピングに支えられているという。超ダンピングをやっていくカラクリの秘密は、連結決算をうまく利用するところにあり、アメリカで幾ら安売りをして損失を出しても、赤字はすべて日本の本がかぶるので、現地は販売会社の役割を演じることに徹し、部数を伸ばすことだけを考えればいいそうだ。また、アメリカや欧州で大幅なダンピングまでして、読者を獲得する戦法を読売が採用している背景には、★警察の情報部門がまとめた心理分析があるという。

 それが本当なら巧妙な操作だと言えそうだが、ほとんどの日本人の読者が駐在員であり、海外生活の平均は3年くらいであるから、その後は帰国して日本しかも、たとえ主人が会社で朝日や日経を読んでも、主婦や家族が読売の記事を連日読んでくれれば、帰国して自宅で購読する新聞は必ず読売になる。

 また、新聞は麻薬に似て習慣性を持つメデイアだから、アメリカに住む間に読売の論調に慣れてしまえば、朝日や日経を読む能力を喪失してしまうので、将来の読者を耕す上での効果が大きい。そのためにダンピングの損失を上回る投資になり、ここに戦略としての有効性が潜んでいるらしいが、それが「悪貨が良貨を駆逐する」愚民政策に繋がるなら、この商業主義は亡国路線に繋がるのではないか。

 
 ★日本でテスト済みのダンピング作戦

 
 読売の大阪進出の時の殴り込み作戦において、ほとんどタダでばら撒いて他社の顧客を 奪い、販路を拡大したことは有名な史実だし、ヤクザや暴力団まで勧誘員に動員するために、販売拡張は悪質勧誘の見本になっている。これも広く知れ渡った拡張路線の手法だが、実際の販売部数が1000部の販売店に対して、1200部と報告させて代金を支払わせ、その差額を折り込み広告の手数料で埋めるなど、読売はだいぶアコギな増紙作戦を展開している。

 これは創価学会が機関紙の聖教新聞を使い、信者に同じ新聞を数部購入させることで、水増し購読を強制したのと同じ手口だが、信仰集団ではない民間新聞が似たやり方を使い、系列の販売店を搾取するのだから恐ろしい。

 そのために、この[販売部数の絶対確保]を至上命令にして、販売店に部数の押しつけ(*押し紙)を強要する手口の悪辣さに対し、販売店主の告発や反発が増えているという。

 一般に販売店への押しつけはどの新聞でもあり、比較的少ない日経で5%だといわれており、朝日の場合は7%だと業界筋はいうが、読売だとそれが15%台になるらしい。
     
この数字を信用して計算してみれば、公称1000万部という販売部数のうちで、1500万部ちかくが幽霊部数ということになり、[サバ読み売り]という陰口の背景にあるものが、なるほどと思えるのも面白いではないか。

 しかし、それ以上に重要な意味を持つのは、朝日と読売とでは広告の内容が大違いであり、発行部数が倍になっても広告収入で差がつき、依然として読売は格の点で遥かに劣る点がある。朝日の広告は書籍、不動産(*特に高級マンション)、自動車、デパートなどが主体だが、読売は映画宣伝とかコックやホステス募集が得意で、垢ぬけしない点は衆目の認めるところだ。
 
 私の読者で博報堂の首脳部に連なる人の話では、1億円のマンションの広告を出す時に、読売ではそんな物件を買える読者はいないから、朝日か日経に広告するしか仕方がないそうだ。これが広告業界や不動産業界の常識なら、費用対効果を現実に考える上で安売りは、議論以前の当たり前の営業路線であり、読売にとって泣くに泣けない辛い点だろう。

 商業紙としてジャーナリズムで勝負する限りでは、読売の持つ限界で行き詰まらざるを得ないから、脱却の試みが販路・拡大になるのかも知れないが、そのために日本の運命が道連れにされるのではたまらない。

    続く。
 

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