カウンター 読書日記  ●『戦争依存症国家アメリカと日本』-3
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 ●『戦争依存症国家アメリカと日本』-3
                       若泉 遺書

密使若泉敬 タイトル

若泉 祈り

若泉 墓前に立つ

ニクソン・佐藤会談 談笑

 
 ★広がる一方の本土と沖縄の「温度差」 

 
 以上見てきたような主要メディアによる報道は、「米軍基地の島・沖縄」のメディア(沖縄タイムス、琉球新報および琉球放送、沖縄テレビ、琉球朝日放送等)の報道や解説とは、同じ国のメディアかと思わせるほどの対照を見せる。

 日本本土に住む日本人と沖縄に住む日本人との心理的乖離、いや日本本土による完全な沖縄「差別」である。

 一九六〇年代末に佐藤栄作首相の密使として米国と沖縄返還を交渉した★若泉敬氏は、沖縄戦で多くの親族を失った沖縄住民に米軍基地を押し付けて、それを知らぬげに自らは「平和と繁栄」の中に暮らす日本本土を「愚者の楽園」と呼んだが、こうしたメディアはこの「愚者の楽園」という言葉を思い起こさせる。
   ★ブロガー註:NHKスペシャル「密使・若泉敬 沖縄返還の代償」をぜひ!

 沖縄のメディアに、在沖米軍基地のマイナス面―米兵の事件・事故、基地周辺を飛ぶ米軍機の危険性や騒音、米軍演習中の被弾事故、普天間海兵隊基地の移設問題、汚染・・・といったさまざまな問題、また県民の生活よりも米軍の活動を優先する日米地位協定と日本政府の対応に関する記事などが載らない日や週はまずない。本土に住む人で、二〇〇九年の鳩山政権誕生以来広く報道されてきた普天間基地移設問題は別にして、こうした出来事について新聞で読んだりテレビで見たりしたことのある人はどれほどいるだろうか。

 日本政府は、米軍基地の存在にともなうこうした県民被害に対して、きわめて消極的な対応しか見せない。日本国民であるはずの沖縄県民の声よりも、日米軍事同盟とそれを支える在沖米軍基地の活動を優先する日本政府と主要メディアの姿勢が、沖縄県民をいらだたせる。

 日米は、安保条約にしたがい、日本に「駐留する米軍との円滑な行動を確保するため」、米軍による基地使用と米軍の地位を定めた地位協定を結んでいる。外務省のサイト「日米地位協定Q&A」には、この協定について、「在日米軍の特権を認めることを目的としたものですか」「米軍には日本の法律が適用されないのですか」「在日米軍は治外法権なのですか」などの質問と回答が載っているが、回答はいずれも現状肯定だ。沖縄の実態とあまりにかけ離れている。

 たとえば地位協定に基づく「民事特別法」によれば、在日米軍の要員が公務中に他人(日本人)に損害を加えた場合、その賠償責任は米兵や米軍ではなく、国(日本政府)が負うことになっている。二〇〇八年八月、通勤途中に対向車線に突入してバイクと衝突、運転していた沖縄の男性を死なせた在沖海兵隊員は、自動車運転過失致死容疑で書類送検されたが、那覇地検は「公務中の事故」を理由に不起訴にした。そこで遺族は、この民事特別法に基づいて国を相手に損害賠償を求め、一〇年一〇月、那覇地裁で米兵と遺族の間で和解が成立。地裁は、国に米側に代わって七一〇〇万円を支払うよう命じた。二〇〇五年十月には、日米合同委員会で、米側は殺人や強姦などの「凶悪犯罪」については起訴前の容疑者の身柄引き渡しに「好意的な考慮を払う」ことに同意したものの、「考慮を払う」かどうかは米側次第である。

 嘉手納爆音訴訟や普天間爆音訴訟でも、裁判所は当事者である米軍を「国権の及ばない第三者」と認定して、国に高額の賠償を命じた。米国が基地を返還する際、カドミウム、水銀、PCB(ポリ塩化ビフェニール)、鉛、ヒ素などの有害物質が見つかっても、米軍には原状回復の責任がないため、汚染物質を取り除くのは日本政府だ。

 ところが、外務省は、在日米軍や米軍人が「日本の法令を尊重し、公共の安全に妥当な考慮を払わなければならないのは言うまでもありません」「米軍の施設・区域内でも日本の法律は適用されています」と言いながら、ただし、「一般国際法上」、駐留する外国軍隊には「特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず」、「日本に駐留する米軍についても同様です」として、米軍の行為や、公務中の米軍人・軍属の行為には日本の法律は「原則として適用されません」と説明する。なお、「公務執行中でない米軍人や軍属」およびその家族については、地位協定に「特定の分野の国内法の適用を除外する」との規定があり、日本の法令が適用されるのは、そうした規定が該当しない場合だけだ。そうした規定を改定すれば済む話であるが、外務省は「国際法上」の通例だとして逃げている。

 日本国民であるはずの沖縄県民をこうした軍事植民地状態におく日本政府に、沖縄は地位協定の改定を求め続けてきたが、政府はその要求を「運用改善」という言葉でかわしてきた。沖縄住民の人権よりも、日米軍事同盟とそれを支える在沖米軍基地の活動を優先する日本政府、そしてその姿勢を批判しない主要メディアが、沖縄県民をいらだたせる。

 日米安保(日米軍事同盟)とそれを支える在沖基地に対する本土国民と沖縄県民の「温度差」が、さらに沖縄県民の反感と政府不信を高める。

 「普天間基地爆音訴訟」の控訴審判決が福岡高裁那覇支部で言い渡された二〇一〇年七月末、島田善次原告団長が県外から来た報道記者に対して、普天間基地移設問題をめぐる大手メディアの報道の仕方に、「あなた方は司法よりもたちが悪い。読むに耐えない」と非難の声をぶつけた。「届かぬ声、募る苛立ち」と題する『沖縄タイムス』社説(七月三一日)の言葉を借用すれば、
 「五月末に鳩山由紀夫前首相が名護市辺野古への移設に合意したことで、すべてが解  決したかのように普天間報道はぴたりとやんだ。ここにたどり着くまで、沖縄偏重の基地配置を見直すという論点はほとんどなかった」
 「沖縄だけに(米軍)基地を押し込め、日米両政府の従来政策はなぜか検証されない。 権力と一定の距離を保ち、批判的に検証することがメディアの役割のはずだが、普天間は県内移設やむなし、という政治方針を後押しするような報道が目立った」
 という本土のメディア状況に対する告発の叫びだったといえる。

 『朝日新聞』が二〇一〇年五月に行った沖縄県民世論調査では、「沖縄県内の米軍基地を、将来的にどうすればよいと思いますか」 という質問に、「いまのままでよい」と回答したのが十一%だったのに対し、「縮小する」は四二%、「全面的に撤去する」は四三%に達した。「縮小・撤去」は合わせて八五%に及ぶ。

 また、米軍普天間飛行場を名護市の辺野古周辺に移設する日米合意を受け、毎日新聞社と琉球新報社がやはり一〇年五月末に沖縄県民を対象に実施した合同世論調査でも、在沖米軍基地は「整理縮小すべきだ」が五〇%、「撤去すべきだ」が四一%にのぼった(合計九ニ%)。辺野古移設については、「反対」という回答が八四%に達し、「賛成」はわずか六%だった。

 さらに、日米安保条約については、「維持すべきだ」がわずか七%だったのに対し、一四%は「破棄すべき」、五五%は「平和友好条約に改めるべきだ」と回答した

 この安保についての沖縄での世論調査結果は、日本世論調査会が二〇一〇年三月に三〇〇〇人を対象に面接して行った全国世論調査(回収率六三・五%)の結果とは、大きく異なる。それによると、国民の一七%は日米同盟を「強化する」、五九%は「現状のままでよい」と答えた。同盟関係を「弱める」は一六%、「解消する」は三%にとどまった。また、日米安全保障条約が日本の平和と安全にどれほど役立っていると思うか」という質問には、一六%が「大いに」、六二%が「ある程度」と答え、あわせて七八%が安保条約を評価した。

 この全国世論調査では、沖縄県に在日米軍基地のおよそ七五%が集中している事実を、四五%が「知っている」、四六%が「ある程度知っている」と回答した。国民のほぼすべてが沖縄の過重負担を知っていることになる。

 また普天間基地の移設先については、回答者の一八%が日米合意どおりの「キャンプ・シュワブ沿岸部」、一二%がそこ以外の「沖縄県内」を挙げたのに対し、三八%が「国外」、二一%が「沖縄県以外の日本国内」と、合計五九%が沖縄県外を希望した。

 しかし、この全国世論調査の三ヵ月前、○九年一二月に共同通信が全国の知事を対象に行ったアンケートでは、米軍の訓練や施設を受け入れる都道府県は皆無だった。米軍再編に伴う沖縄の米軍基地負担軽減について、◆小泉純一郎首相(当時)は○五年六月、「(沖縄の負担を)本土に移そうというと各自治体が全部反対する。実に難しい。総論賛成各論反対だ」と嘆いた。沖縄の負担軽減には賛成だが、米軍基地を移設しようとすると強く抵抗するというのである。ニンビー(NIMBY Not in my backyard)、すなわち「自分の裏庭に移されるのはいやだ」というわけである。

 日本が「日米同盟」という名の下に米軍基地の駐留を認め続け、沖縄の人口が日本全体の一%以下、国会議員が全体の約一%という状況が続く限り、そして主流メディアがこの小さな少数派の声を無視し続ける限り、よほどのことがなければ、在沖基地に関する「ニンビー」状態が変わることは考えにくい。メディアが沖縄=抑止論を唱えれば、なおさらだ。 

   続く。

  

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