カウンター 読書日記  ●『戦争依存症国家アメリカと日本』-2
読書日記
日々の読書記録と雑感
プロフィール

ひろもと

Author:ひろもと

私の率直な読書感想とデータです。
批判大歓迎です!
☞★競馬予想
GⅠを主に予想していますが、
ただ今開店休業中です。
  



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


 ●『戦争依存症国家アメリカと日本』-2
 
 ●『戦争依存症国家アメリカと日本』   吉田健正 高文研 2010.12.1刊 
 
 Ⅲ 米国政府の代弁者たちと大メディア <続き> 

 
 ★米国に「洗脳」された日本のジヤーナリストたち 

 
 前述の寺島氏の評論には次のような指摘もある。
 「驚くべきことに、ワシントンにおける最高レベルの知識人や国際問題の専門家でさえ、日米関係に関与していない人たちの多くは日米同盟の現実(米軍基地の現状や地位協定の内容)を知らない。むしろ、こんな現実が続いていることに、『米国の国益は別にして』と付け加えながらも、怪冴な表情と率直な疑問が返ってくるのである」
 しかし、日本の大手メディアからは、日米同盟を賛美する米国政府、国防総省、「知日派」の声しか伝わってこない。

 こうした「知日派」が発する「アメリカの声」を「天の声」のごとくありがたがる日本の「ジャーナリスト」は、まるで米国に雇われたプロパガンディストのように、日米同盟や在日米軍の役割を喧伝する。何十年にもわたって在日米軍基地の大半を背負わされ、治外法権的な地位協定や墜落事故、騒音、米兵犯罪に悩まされ、基地の縮小・撤廃を訴え続けてきた沖縄の「民意」は何とかなだめて、必要ならアメをしゃぶらせて、「普天間海兵隊基地の沖縄県内移設は自民党の対米合意(○六年)どおりやれ」「日米関係を傷つけてはならない」と、日米同盟やワシントンの意向を重視するのである。

 沖縄の「負担過重」に同情することはあっても、もう一歩踏み込んで、日米同盟には賛成だが地元への沖縄からの基地移設には反対という、日本本土各地と国民の「総論賛成・各論反対」のエゴを指摘し、沖縄「問題」の解決法を探る記事や論説にはお目にかからない。米国政府や米国の「安保で飯を食べている人々」と同調するだけだ。

 毎日新聞社の◆布施広・専門論説委員(注・布施氏は一九九八~○二年、ワシントン特派員、北米総局長として九・一一同時多発テロなどを取材し、主に米国の外交・国防政策を担当したという)は、同紙の「反射鏡」に書いた「寝ても覚めても日米同盟の危うさ」(一〇年四月一八日)という記事で、「(普天間基地の)海外移設こそ勝利という主張を実現するのは難しいと私は思う。政治  家と新聞・テレビがこぞって海外移設を主張し、米政府に譲歩を迫るような事態は考えにくい。元ワシントン特派員として率直な意見を述べれば、日本の多くのメディアは、(日本の)時の内閣より日米同盟(日米関係)の権威を重く見る価値観を持っていると思うからだ」と指摘している。布施氏の言うとおりであろう。 

 
 ★大新聞は軒並み「日米同盟」重視 

 
 『読売新聞』は、安保改定六〇周年の社説(二〇一〇年六月一九日)で述べているように、「日本とアジアが平和と安定を確保し、経済的な繁栄を享受してきたことに、日米同盟が重要な役割を果たしてきた」というのが持論だ。日本の安全保障を「深化」させるため、日本政府は名護市辺野古への普天間基地移設を定めた五月末の日米合意を遵守せよ、と言う。米国の主張に沿って普天間基地を米軍基地が集中する沖縄県内に移設することにより、日本とアジアは「平和と安定」を維持しよう、という主旨である。

 『朝日新聞』では、編集局を代表する◆船橋洋一主筆が、「在日米軍基地は、日本を守るだけではなく、極東における平和と安全のためのものでもあるのです。その役割、つまりは抑止力が弱まることを近隣諸国は、そして米国も、心配しているのです」と書く(一〇年五月一日)。ここで「在日米軍基地」とは、当然、その七五%を占める沖縄の米軍基地のことだろう。

 かつてワシントン特派員やアメリカ総局長などを歴任し、アメリカの政策シンクタンク「ブルッキングス研究所」に客員研究員として籍を置いたことがあり、『同盟漂流』(岩波書店、一九九七年)などの著作もある船橋氏は、さらにこう述べる。
 「中国を開かれた国際主義的な世界秩序に組み込むため、アジア太平洋においては磐石の日米同盟が不可欠なのです」
 「その戦略目標を念頭に、米軍基地の役割と効用を改めて位置づける骨太の政策協議を行う必要があります。ここでは抑止力維持に向けての日本の役割、そして沖縄の海  兵隊の使命と役割の再定義をダイナミックに行うべきでしょう」

 『日本経済新聞』も、前出の講演会が示すように、日米同盟重視では負けていない。鳩政権時代の○九年一〇月二二日、同紙は社説にこう書いた。
 「鳩山政権が繰り返す『日米基軸』が外交辞令でないとすれば、給油の実質的継続と、いち早い普天間基地移設の実現に向かい、具体的行動を示す必要がある。できなければ、日米同盟は名存実亡となり、緊急事態に機能しなくなる。首相、外相、防衛相に危機感が足りない。それが同盟の危機だ」

 主要メディアは、このように「日米同盟守れ」「米海兵隊は沖縄に」の大合唱を繰り広げているが、在日米軍のおり方について論じることはほとんどない。 

 
 ★NHK解説委員は米国政府の代弁者? 

 
 「国民」の視点に立つべき公営放送のNHKは、沖縄戦や沖縄の過重基地負担について住民の視点から沖縄特集を組むことがあるが、◆島田敏男解説委員などは、『読売』や『産経』と同じく、県民の苦難や民意はそっちのけで、日米同盟のためには犠牲になれ、という趣旨のことを主張する。
 たとえば、一〇年三月二六日付のNHK解説委員室ブログ「おはようコラム(現在のNHKニュース、おはよう日本)」で、島田氏は、普天間基地移設問題について鳩山政権がとるべき道として、「まず鳩山総理と関係閣僚で考え方をまとめて意思決定する」「社民党と国民新党から同意を取り付ける」と書いた後、「その上で沖縄の人たちに、頭を下げてお願いすべきはお願いする」と提言した。何のことはない。沖縄の人たちがいかに普天間基地の県内移設に反対しようと、「県民よ、日本の安全と繁栄のため、引き続き犠牲になってくれ」、というのである。

 三月三十一日付のブログ「時論公論一展望開けぬ普天間基地移設」では、「沖縄に駐留する海兵隊は日米同盟にとって極めて重要だ」というゲーツ国防長官や「現在の日米合意の案が望ましいという立場は変わっていない」と「強調」するクリントン国務長官の言葉を紹介して、「移設問題で迷走している(鳩山政権の)姿に、オバマ政権も不安を抱いていると言わざるをえません」と述べた。日本の「公営」放送の解説員でありながら、米国政府の代弁者そのものである。

 明らかに海兵隊の沖縄継続駐留を支持する◆秋元千明解説委員も、
「沖縄に駐留する海兵隊は他の軍隊とは異なり、歩兵、戦車、ヘリコプター、戦闘機まで装備し、独自の陸、空の戦力を持ち、独自のロジスティツクを確立した自己完結型の軍隊です。すべての部隊が人の手足のように有機的につながっており、他の軍隊の協力を受けずに活動することができるようになっています」
 と述べている(NHK解説委員室ブログ土曜解説「普天間問題はどこに」、一〇年五月二十九日)。
 まるで、海兵隊こそ最強・最重要の軍隊、海兵隊がいてくれさえすれば日本の安全は大丈夫、という言い方である。海兵隊が「他の軍隊の協力を受けずに」― 空軍、陸軍、海軍なしに ― 戦争をしたことがあったのか、実例を示して欲しいものである。なぜ、米軍が自国内だけでなく、世界中に空軍、海軍、陸軍を中心に配備しているのか、なぜ、強力な海兵隊が駐留する日本(沖縄)に、米国は空軍、海軍、陸軍をおく必要があるのか、それも説明して欲しい。

 しかしそうした説明は抜きに、秋元解説委員は続けてこう説明する。
 「したがって、部隊が駐留する場所は常に、兵士から車両、航空機まで、すべての部隊と装備が近くに配置されていなくてはなりません。訓練の際も、実戦で活動する際も一緒に活動する必要があるからです」
 先に紹介したリチャード・マイヤーズ元統合参謀議長の言葉と同じである。
 秋元氏はまた、「なぜ、海兵隊を沖縄におかなければならないのか」という問いに、米軍と同じく、沖縄の「地政学的な特質」を挙げる。
 「沖縄は地理的に中国に近く、朝鮮半島や東南アジアにアクセスしやすい。さらに、南アジアから中東に部隊を展開させる場合でも、沖縄より西のアジア地域には、アメリカの軍事的な拠点はなく、しかも、後方のアメリカの拠点、グアム、ハワイヘのアクセスも良い。つまり、ユーラシア大陸の東から南にかけて、アメリカが軍事的影響力を示すには最も有効な場所です。ここに沖縄の持つ地政学的な特質があります」

 この秋元氏の意見も、「朝鮮半島、台湾海峡、東シナ海を近くに臨む沖縄は戦略的要所だ」という、ウォレス・グレグソン国防次官補の考え方(沖縄タイムス、二〇一〇年六月二十日)と同じである。

 現在、ハイテク兵器は飛躍的な発達を遂げている。宇宙(スパイ)衛星、無人偵察機、レーダー、ミサイル、超音速の爆撃機や戦闘機、航空母艦などを擁する米国にとって、「地政学的特質」に基づく基地はさして必要でなくなった。ただし、配備経費の七割も負担してくれる国があれば、別である。秋元氏は、米軍を日本に招くこの「思いやり予算」には言及しない。日本がその一部である沖縄を軍事帝国・米国に基地として提供していることを、秋元氏は喜んでいる風さえある。

 船橋氏も秋元氏も、冷戦時代の米軍が沖縄を「太平洋の要石key stone」と呼んだのと、いまだに同じ発想である。米国が政治的・戦略的理由で沖縄の海兵隊をグアムに移転するのに、なぜかそれにも触れない。「米軍は歓迎されないところに部隊を配備しない」というラムズフェルド国防長官の言葉も無視する。在日米軍基地に対する国民感情を論じるジャーナリストもいない。
 日本の安全と繁栄を守るには、日本本土から遠い離島・沖縄より、全人口の約一割を擁し、日本の政治・経済・通信・交通・文化・教育の中心であり、皇居や靖国神社も抱える首都・東京とその周辺に軍事基地を張り巡らせた方がはるかに「脅威」に対する抑止力になるだろう。しかし、不思議なことに、NHKの解説委員も他のメディアの日米同盟依存派も、それを言わない。米国内での在沖海兵隊不要論も取り上げない。

    続く。 

 

スポンサーサイト


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→http://2006530.blog69.fc2.com/tb.php/870-b5ab613b



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。