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●TBS・「報道特集」
                        田中角栄 消された真実_1
                        『田中角栄 消された真実』
                         木村喜助 弘文堂2002年


 ●テレビ報道番組も堕ちたものだ。 

 「流行」の特捜批判を「ヤメ検(特捜)」が嘆く・・・という構図が、

 大手を振って、まかり通っている。

 今夕、偶々目にした「報道特集」も「構図」に乗ったアホラシイ番組だった。

 登場した「ヤメ特捜」・村田恒の厚顔ぶりにも驚いたが、

 「拝聴」のみで、番組が終了したのには呆れてため息が出た。

 *************

 今次、噴出する検察(その「象徴」としての特捜)の問題の根源は、

 ロッキード事件時の捜査手法にある。

 ロッキード事件の悪しき習慣がまかり通った結果が現在の惨状なのだ。

 確たる証拠もなく、角栄氏の「憤死」に救われた「僥倖」を、

 特捜手法の「輝かしい勝利」へとでっち上げた連中とその下僕が、

 いま、我々の「忘却」を見越してご託宣を垂れ流す。

 
 **************

 ⇒★「古川利明の同時代ウォッチング」 の過去ログに、今夕(↑)の村田恒が「ご登場」している。 


 ★「抑止力」としての権力行使(2006年 05月 10日)

 ・・・略・・・
 今や、「国策捜査」や「ファッショ」という言葉は、腐れ検察の枕詞にすっかりなってしまいましたが、少なくとも、私が知っていたかつての検察庁は、「抑止力としての権力行使」ということをちゃんとわきまえていました。
 それは、この前、三井環のオッサンと酒を飲んだとき、「どうして、加納駿亮と仲が悪くなったのか」という話をしたとき、彼が大阪高検のヒラ検事のときに担当したある事件の処理を巡ってだ、というふうに聞かされました。

 その事件は、96年秋に京都地検が摘発した京大病院の臨床治験を巡る汚職事件で、当時、三井のオッサンは大阪高検のヒラの検事として、京都地検の担当をしてました(こういう地検の独自捜査は、着手にあたって必ず高検と協議をする)。 
 ところが、京都地検がこの事件に着手し、関係先をガサ入れ、専任講師を逮捕したとき、三井のオッサンは姫路に出張していて、大阪に戻ってきて初めて「着手」を聞かされました。
 で、資料を読むと、内偵不足が明らかで、「これでは立件できない」と高検の上層部に進言したことで、教授の逮捕は何とか見送りになりました。そして、専任講師も処分保留で釈放され、その後、起訴猶予処分になりました。

 三井のオッサンによれば、この事件では、結局、渡された金が「論文の謝礼」ということで、ちゃんと領収書も発行したり、確定申告もするといった、公明正大な「表のカネ」だったというのです。ですから、そこには「賄賂性がないんだ」というのです。
 サンズイ(=贈収賄事件)には、立件にあたって、3つの大きなポイントがあり、それは「金銭等の授受」、「職務権限」に加えて、「賄賂性の認識」の立証が必要不可欠なのです。
 つまり、賄賂を受け取った側に「賄賂性の認識」がなかれば、それはサンズイにはならないのです(ただ、金を贈った方は「賄賂申し込み罪」で罰することはできますが)。

 んで、なぜ、こういう意見を彼が進言できたかというと、その前にいた高松地検次席検事のときに、香川医科大における同様の汚職事件を手がけ、1年あまりの内偵を経て、渋る法務省をも説得し(なぜなら、こうしたケースは判例がなく、初めての摘発事例だったので)、やっとこさ関係者の逮捕にもっていって、有罪判決を勝ち取っていた経験があったからです。 

 で、その事件では、渡されたカネの流れが3本あって、そのうちの2本は論文謝礼などといった表のカネだったのですが、そこに挟む形で、裏金、すなわち、賄賂が1本入っていて、それをサンズイでサクッと立件した、というのです。
 その意味では、この事件は鈴木宗男が摘発されたやまりんからのあっせん収賄罪ともリンクすると思います。
 あのやまりんからのカネの400万円(検察は500万円と主張)は彼の官房副長官就任の「祝儀」で、それもちゃんと領収書を発行しているというのです。その後、やまりんはいろいろとモンダイが出たので、彼以外にもカネをもらっていた議員もいたので、そういうのと一緒に横並びで、全額、返金しているのです。私もいろんなサンズイを取材してきましたが、「領収書を発行する賄賂」なんて、聞いたことがありません(笑)

 権力を行使するということは、「法律を執行する」ということですが、その適用にあたってはあいまいさがあってはなりませんし、「拡大解釈」などもってのほかです。そうやって、法の厳密な適用を逸脱し、でたらめな法執行をやってしまったら、捜査機関は「誰が、何をやっても逮捕できる」ということです。それは、「凶暴罪=共謀罪」成立云々以前の問題です。
 少なくとも、かつては検察内部にも、このように「抑止力としての権力行使」というものを、きちんとわきまえていた人間が、幹部にもいました。また、そういう人材がいたことで、「法執行の乱用」を未然に内部でブレーキをかけていたのです。 

 確かに、三井環氏は、高松地検次席検事時代(91年4月-94年3月)に、独自捜査で計47人の被疑者を逮捕するという、「中小地検における独自捜査のギネス記録」を打ちたてましたが(これは、当時、最高検の公判部長をしていた逢坂貞夫のオッサンに「高松ばっかり独自捜査で被疑者をあんなにパクッてしまったら、大阪地検特捜部の面子が丸つぶれだ」とまで言わしめている)、私が彼を評価するのは、こうした「独自捜査の鬼」としての能力としてもさることながら、こうした「権力行使の抑制」ということをきちんとわきまえていたからです。

 それは、私が毎日新聞に入って最初の高知支局で、彼が高知地検の次席検事をしていたので、そのときの警察事件の捜査指揮を見ているので、よく知っていますが、特に1課事件(殺し、タタキ)で、物証の詰めを相当なところまで警察に要求し(それは誰が見ても被疑者が特定できていて、新人記者だった私ですら、事前に被疑者に接触して、「一問一答」を取っていたほどの殺しだった)、なかなか逮捕にGOサインを出さなかったのを覚えています。それくらい裏づけには慎重でしたね。
 しかし、それでいて突っ込むときはまたすごかったというか、選挙違反事件で、高知県警の2課が「もうすぐ人事異動があるんで、このへんで打ち止めにしてほしい」と懇願するのを無視して、ガンガンと関係者の身柄を取らせていましたから。そこの「アクセルとブレーキ」の組み合わせが絶妙で、その按配がまさに「バランス感覚」だったと思います。


 話を彼の大阪高検のヒラ検事時代に、ストップを命じた京大病院の事件に話を戻しますと、このとき直属の上司として、大阪高検の次席検事だったのが、ぬあんと、加納駿亮だったわけです。
 書くと長くなりますが、この京大病院の事件の顛末を、
三井氏が高松地検次席検事時代に高松高検検事長だった村田恒氏(ロッキード事件の捜査班にも入り、現場の感覚も知っている)に手紙で書いたところ、それを酒の席で漏らした話が回り回って加納の耳に入ってしまい、「三井の野郎、チクりやがったな」と、彼を敵視し、トイレや廊下で会っても目を逸らすようになったといいます。

 んで、そうやってシカトするだけならまだいいのですが、その後、三井氏が名古屋高検の総務部長から大阪高検の公安部長に戻ってきたときに、加納の横槍で検事の棒給を据え置いたままにするという暴挙までしてしまったのです。「それは、私個人に対する怨念を超えて、高検公安部長という職に対する冒涜である」と。これにさすがに、三井のオッサンもキレてしまったのです(笑)

 この前、その三井のオッサンと酒を飲んだとき、しみじみと言ってましたが、「あの京大病院の事件がすべてだった。アレがなかったら、加納の件で内部告発することもなかったな」と。
 で、私が「だとすると、田舎の検事正を一つ二つやって、今ごろは大阪高検の検事長の椅子にふんぞり返って座って、調活を湯水のように使い倒して、こんなところで私と酒を飲んでることもなかったのですよね(笑)」。
 しかし、こうして、彼が権力中枢にいながら、「極めてまっとうなことをした」がゆえに、最終的に「口封じ逮捕」にもっていかれたことを考えるとき、私は「腐れ検察庁」に対する憤りと怒りがさらにこみ上げてきます。原田明夫、松尾邦弘、但木敬一以下、法務・検察の首脳全員を「共謀罪」で逮捕して、拘置所の塀の中に放り込んで、服役させろと本当に思います。・・・略・・・ 

 *************** 

 
 春秋の筆法を倣えば、

 
 「村田恒先生、三井環氏冤罪事件を産み、

 <検察大崩壊⇒改革>を招来す。

 奇しくも、めでたき大業 也!」 
とでも言えるのだろうか。
 

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