カウンター 読書日記 ●満洲国の断面 (11)
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●満洲国の断面 (11)
 ★財閥を使いまくるナチス

 皇帝への土産にコンタクスを買うこと
 ドイツ民族の頭のよさに感心すること


 使節団員は土産を買うのに忙しかった。何せ支那事変中のことで、物資不足時代だから、韓雲階を初めとし、各人旅費のあまりで写真機や懐中時計など買いあさる。中には割当て以上の外貨を旨く手に入れて、一人でライカ、コンタクスを十数個も買ったなどと噂をたてられた実業人がいた。外交特権で、満洲国や日本へ入国の時、荷物の調べがないというので、しこたま買いこんだのである。

 甘粕はこれを憂えていた。使節団員が分不相応にたくさん土産物を持ち帰ると、一般の人々に与える影響がよくないというので、彼自身は、自ら範を示す意味で、決して物を買いに出なかった。ベルリンではただ二回だけ私に土産物を買って来てくれと頼んだ。その一つはコンタクスF1.5を六百マルクも出して買ったことである。これば皇帝へのお土産にした。しかし、甘粕からカメラをもらった皇帝溥儀が、スナップを撮ったかどうかは聞いていない。

 もう一つは、私が小学校一年生の自分の息子のために、子供用顕微鏡を買ってホテルの部屋においたのを見て、甘粕は私に同じものを買って来てくれと頼んだ。甘粕には、そのとき、八歳の女児と六歳の男児とがあった。

 イタリーでは接伴員が六人もついていたから、ヘマばかりやっていたが、ドイツでは、クライバーという外務省の書記官が助手一人を連れて、二十六人の使節団を上手に引きまわしていく。

 駅の発着から、ホテルの部屋割、荷物の運搬、自動車の割当てまで、寸分の隙もない。さすがの甘粕も、これには感心し、ドイツ人はすごい民族だと嘆声を洩らす。

 ブレーメンから先はドイツの財閥オットー・ウォルフ会社が、使節団の接待を引受け、ライン河を特別仕立ての小型汽船でさかのぼり、オットー・ウルフの邸に招かれて、彼からご馳走になり、フランクフルト・アムマインまで行く。ナチスは財閥をいじめないで、適当にあやかしながら使いまくっているのだと甘粕は教えてくれた。

 二週間ドイツに滞在して各地を訪問した後、十月七日、ポーランドに入る。ワルソーに着いてホテル・オイロペウスキーに案内される。ところが、どこの部屋に入ってよいのやら、部屋割りができていないので、さっぱり分からかい。しばらく玄関でごたついた後、やっと部屋が当てがわれる。

 それから、商工大臣を訪問して、帰途、第一次大戦の無名戦士の墓に詣でたまではよかったが、帰りに自動車に乗ろうとすると、またまた大混乱。誰がどの自動車に乗ってよいかわからない。そのうちにポーランドの役人たちがわれわれの乗って来た自動車に乗って走り出す。こうなるとイタリーのカプリ島の二の舞で、それよりも出来が悪い。甘粕はすっかり怒ってしまう。

「 武藤さん、歩いて帰ろう。われわれを国賓として招待しておきながら、このざまはなんだ」というわけで、ホテルまで二人で歩いて帰る。ポーランド政府の方も、これには驚いたらしく、車に番号をつけたり、団員の一覧表をつくって割当てをしたりして、善後措置を講じ、甘粕に謝まって、漸くご機嫌を直してもらった。

 ***************

   続く。
 
   


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