カウンター 読書日記 ●検事という人種<完結>
読書日記
日々の読書記録と雑感
プロフィール

ひろもと

Author:ひろもと

私の率直な読書感想とデータです。
批判大歓迎です!
☞★競馬予想
GⅠを主に予想していますが、
ただ今開店休業中です。
  



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


●検事という人種<完結>
  *稀代の殺人鬼・関根元も、徐々に追い詰められていく。必要なのは、物証だけになっている。

 共犯の山崎もピタリとマークされてはいるが、警察は動こうとはしなかった。しかし、11月初めの早朝、4人の刑事が突然、令状ナシで乗り込んできた。山崎は訳もわからないうちに、車に押し込められ、捜査本部のある、行田署に連行された。

 50歳前くらいの刑事(県警捜査一課の結城刑事)があらわれて、「荒木が全部喋ったぞ。とにかく、俺たちは荒木からすっかり話しを聞いて、お前がこの事件のことを知っているということをよく知っているんだよ}と言う。関根の旧友で共犯者の荒木が「警察の犬になっていた」のだ。任意の取調べとはいえコッテリと絞られた山崎は一旦各地に逃亡するが、治療中の歯の具合が芳しくなく、逃亡にも嫌気がさして、結局は東京に戻ってくる。

 逃亡をあきらめて、行田署にいる結城刑事に電話をいれる。
 山崎は消されたとばかり思っていた結城刑事は「とにかく会おう。お前の条件は全部飲む。約束する」
 「俺は何が何でも関根を挙げたい。だから志願してお前の担当になったんだ。宮崎のとき(この刑事はアノ事件も手がけた切れ者だという)も興奮したが、この事件は俺の刑事人生で最大、いや、戦後最大のヤマだ」
 「何だ、出世のためか」
 「馬鹿いうな。関根をこのまま野放しにして置いてみろ。奴はきっとまたヤル。俺たちは十年前にも関根を引っ張っているが、証拠を掴めなかった。もし、今回駄目なら、山崎、次はお前の(殺される)番だぞ」
 「今度は、脅しか」
 「脅しだと思うか。関根のことはお前が一番よく知っているはずだ。・・・」

 こうして、山崎は警察に協力することになる。

 山崎と結城刑事は妙に馬が合ったというのか、取調べは順調に進む。 「その後、俺と結城は旧知のような間柄になり、彼は快調にペンを走らせた」と言うほどに・・・

 そして、担当検事として、浦和地検熊谷支部の岩本明という検事を、紹介される。
 年のころは40過ぎ、180センチを超す長身で、美形。左手には結婚指輪なんかしている。(たしか、佐高信だったな、指輪をしている男は信用できないと書いていたのは)結城刑事とはまったく違ったタイプだ。
 
 「僕は・・・」という岩本の話しぶりが、そもそもなじめないのだ、山崎には。先行きもこの時点で見えてくるようだ。

 山崎と岩本の「取引」じみた<取調べ>はこうして始まっていく。

 とにかく、どういうわけかこの岩本検事は、余計なことを喋りすぎるのである。

 「関根の逮捕が早まったおかげで証拠を固めきれなかったよ」岩本は笑いながら言う。

 「どうして予定が早まったんですか」

 「県警本部長の移動が決まってね。二月に離任するらしい。その手土産作りのために県警が逮捕を急いだんだ」

 「それは本当ですか」

 「そう聞いている」・・・

 これでは、結城刑事でなくとも怒り爆発だろう。反則だ。
 結城は腹の虫がおさまらず・・

 「あの野郎、碌なことをいわねえな。自分だって東京地検に栄転が決まったくせしてよ」

 「何だと、それは本当か」(山崎)

 「ああ、しかも特捜部だ。熊谷の支部地検から一挙に東京地検特捜部に大栄転だ。法務省も何を考えてんだろうな。岩本なんかちょうどいい時にたまたま熊谷にいたってだけなのによ」
 
 こんどは、山崎の怒りが爆発する番だ。

 「俺は奴らの出世の踏み台だったのか」と愕然とする。

 岩本検事は、その後も平気で出来もしない約束を口にして、山崎はそのたびに<ぬか喜び>と<落胆>の繰り返しになる。

 とうとう、山崎は腹をくくり、岩本検事を完全に無視することにする。

 結城刑事も最初のうちこそ慰撫・説得につとめたが、あまりのひどさに間もなくそれも諦めてしまう。
 
 山崎の協力拒否に動転した岩本検事は、「女でも抱かせろよ」という山崎の要求にさえ、従うことになる。

 もう、こうなると、「漫才」か「冗談」の世界だ。

  結末は、こうである。*P300から<引用始>


  「頼む気持ちがあるんなら、そこに土下座でもしてみろよ」

 岩本に迷いはなかった。机の横に歩み出るや、奴は床に額を擦り付けて土下座した。

 「お願いします。返してください」(山崎が書き終わった調書を奪い、破ろうとしたのに対しての岩本の言)

 俺の怒りはまだ納まらない。

 「川崎事件の調書をよこせ。鴻巣署に持って帰ってよく読んでみる」
 「この時、紐持ちの警察官のため息が聞こえた。・・・略・・・

 ・・何のためだよ、岩本。お前はなんで嘘をついたり、土下座したりするんだよ。誠意を見せるためか。そうじゃないだろう。東京地検に行きたいからだろう。・・略・・

 「裁判の時もよろしく頼みます」

 検事部屋を出る時、岩本はそうも言った。


      <完>

スポンサーサイト


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→http://2006530.blog69.fc2.com/tb.php/52-3a010ebd



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。