カウンター 読書日記  ●陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(16)ー5
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 ●陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(16)ー5
 ●陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(16)ー5

 ●松方正義デフレ主義の根幹にあったのは・・・ 


 吉薗家の伝承では、上原元帥は横浜正金銀行にも特殊な権力を持っていた。それが陸軍大将・荒木貞夫に受け継がれたようで、大戦が始まり為替が不自由になった中、フランス再渡航を希望する薩摩次郎八に頼まれた吉薗周蔵が、荒木閣下に頼んで為替を入手した、との記述がある。

 『横浜正金銀行史』は、「顧ふに本行は大隈侯の懇切な指導の下に、13年2月28日を以て世に生まれたのであるが、翌14年から15年に亘る財界の不振に際し、当局者の措置が宜しきを得なかったので、資本金半額以上の欠損を来たし、殆ど破綻に瀕したのを、松方侯の懇篤周到な指導の下に九死に一生を得て、今日の盛大を見るべき基礎を固めたのである。故に本行歴代の当局者は、大隈侯を生の母とし、松方侯を再生の恩ある養育の母として常に敬意を表し、尚今後も永くその恩を忘れぬであろう」として、大隈と松方の恩を挙げるが、西南戦争前後の財政を担ったのは、確かに大隈と松方であったから、当時誕生した同行が2人の世話になったのも当然である。鍋島藩士の大隈は、明治元年1月に徴士参与職・外国事務局判事に挙げられ、外国官副知事から会計官副知事に転じた。2年7月の官制改定で、会計官の後身大蔵省の大輔となった大隈は、民部・大蔵両方の事実上の統合を献言し、自ら民部大輔兼大蔵大輔として内省を取り仕切った。3年7月、両省は再び分離し、大隈は大蔵大輔専任となり9月には参議に補されたが、4年7月の官制改定に際し、大蔵省を大久保・井上コンビに譲った。

 薩摩藩士出身の松方は、大隈より3歳年上の天保6(1835)年生れで、藩士時代に長崎で汽船買い付けをしていた時、大久保の眼に留まり、明治元年1月に長崎県裁判所参謀助役に就き、元年閏4月の官制改定で徴士・内国事務局権判事に挙げられたが、同月に日田県知事に転じ、そこで黒田藩の太政官礼偽造を摘発して名を知られた。3年10月に民部大丞に挙げられ、4年7月の官制改定で大蔵少丞に格下げになるが、この時には、各省で職階調整のための降格があったようである。4年7月から6年まで大久保卿と井上大輔が支配した大蔵省に二、三格下の少丞に転じた松方は、翌月租税権頭になった。

 参議兼制度取調専務の大隈は、6年5月に至り事務統裁として大蔵省に復帰、大久保に替わって大蔵卿になり、以後13年2月まで6年半大蔵省のトップに立った。松方は7年1月に租税頭に昇り、8年11月大蔵大輔に昇進し13年まで大蔵卿大隈を補佐した。この間10年1月からは内務省勧農局長を兼ね、同年10月から仏国博覧会のためフランスヘ出張するが、これをロスチャイルドにお目見えの機会としたものであろう。

 帰国後の松方は、西南戦争後のインフレ対策に関して、大隈大蔵卿と正面から対立した。新政府は、西南戦争の戦費調達を不換紙幣の乱発で行ったから、戦後社会は大規模なインフレに見舞われていた。大隈は、インフレの原因を、貨幣流通量の過剰ではなく正貨(銀貨)の不足と考えて、「外債を発行して得た銀貨で、市場で不換紙幣と置き替えれば物価は安定する」と主張し、積極財政の維持を図った。これに対して松方は、維新以来の政府財政の膨張こそインフレの原因で、不換紙幣の回収しかないと緊縮財政を主張した。松方のデフレ主義は、訪仏した時にフランスで重農主義に触れたからと説明される。それもあろうが、真相はロスチャイルドにお目見えした時不換紙幣の乱発を指摘され、その整理を指示されたのではないか。蓋し松方理論は大隈の採ってきた積極財政を根幹から否定したから大隈は激怒し、これを憂慮した内務卿の伊藤博文が、13年2月に自ら内務卿を辞し、その席を松方に譲ったのであった。
  


  陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(16)  了。

  

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