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●陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(16)ー3
 陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(16)ー3

 ●国学、啓蒙主義双方に通じていた肥前鍋島藩  


 肥前鍋島藩は、幕府から黒田藩と交替で長崎の警固を命ぜられて、西洋の息吹に触れ、近代化の必要を覚る。嘉永5(1852)年に反射炉を稼働させ、慶応2(1866)年に最新兵器のアームストロング砲を自力で完成した位で、西南雄藩中有数の工業力と軍車力を備えていたが、安政2(1855)年に幕府が長崎オランダ海軍伝習所を開設すると、西南雄藩中最多の藩士を派遣する。海軍といえば、国柄を問わずワンワールド傘下で啓蒙主義団体を兼ねるから、長崎伝習所に派遣された肥前藩士は軍事知識のみならず、啓蒙思想の洗礼を受けたわけである。さらに、慶応元(1865)年に開設した藩校致遠館の校長に宣教師★フルベッキを招き、このことで明治維新における肥  前藩の役割とその後の地位が決定した。

 維新実行の西南雄藩の一つでありながら、肥前藩は倒幕の軍事行動に参加せず、実際に兵を挙げたのは維新後で、新政府から北海道先鋒を命じられた時である。大政奉還・王政復古の前に京に兵を送ったのは薩長土だけで、鍋島藩は静観していた。そのため、明治4年の御親兵募集に当たっては三藩だけを対象としたが、それでも鍋島藩は維新の功績では三藩に劣らないと評価された。
 
 
 鍋島藩の特色は、国学(南朝崇拝)と啓蒙主義(ワンワールド思想)の双方に通じていたことである。それを端的に示す人材が、楠公義祭同盟の創始者・枝吉神陽の弟の国学者でフルベッキ致遠館の教頭となった副島種臣(1828生)、および楠公義祭同盟の一員ながらフルベッキの直弟子となり、新政府有数の実力者となった大隈重信(1838生)である。他にも、大木喬任・佐野常民らがいるが、かかる肥前人材の維新後の活動を補完するのが杉山茂丸の役割だったと思える。
維新に尽力した西南雄藩は挙って南朝の事績を顕彰した。肥前では枝吉と横井小楠が楠公義祭同盟を興し、薩摩では大久保・吉井らの誠忠組が楠公神社を建て、長州では藩校明倫館で楠公祭を執り行った。土佐では、城下近郊で上士と郷士が対立した井口村事件の後、下士・郷士が結成した土佐勤王党にも南朝復興の息吹を感じるのは私(落合)だけであろうか。ともかく、宮内省を抑えていた吉井友実の後を受けて、東京宮廷を護ったのは土佐勤皇党の土方久元(1833生)と田中光顕(1843生)で、前者が20年から31年まで、後者が31年から42年まで、併せて20年以上もの間、宮内大臣に就いていたことに注目せねばならない。因みに、杉山茂丸も南朝事績の顕彰を重視し、南朝正統論を説く『乞食の勤皇』を著している。

 茂丸の幼少時については巷間溢れる他書に譲るが、何を読んでも講談もどきの武勇伝ばかりで、若干20歳の杉山が明治17年、山岡雪舟(*鉄舟)の紹介状を懐に暗殺目的で伊藤博文に会いに行った事などが面白く書いてある。肝心なのは、なぜそれが可能だったかだが、それは全く書かれておらず、策士だのとフィクサーだのと騒ぐだけである。杉山は玄洋社の看板で動いたが、根底はワンワールド傘下であったと観るべきである。玄洋社に薩摩ワンワールドのダミー的性格があることは前述した経緯からも不自然でなく、高島と杉山を結ぶ地下水脈があっても当然である。後年、薩摩出身の上原勇作元帥は、玄洋社の頭山満や中野正剛を私兵のごとく使役していたが、この関係は、高島=杉山と玄洋社の関係を上原が引き継いだものと見るしかないが、さらに遡れば、明治4年から24年まで宮内省を支配した吉井友実の本当の役割(薩摩ワンワールド総長)を高島が引き継ぐと同時に、杉山との秘密関係をも承継したものと推量する。

 つまり、杉山と高島・上原は等しく役割を分担したもので、一方が上司、他方が部下という関係ではないと観るべきである。囚って、ここに前月稿を訂正したい。



 ●対清・対露非戦派の長州元勲工作に奔走 へ続く。  



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