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陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(14)ー3
 陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(14)ー3

 ●現役復帰、拓殖務相などを歴任するも恩賞なしの謎

 朝鮮国では親日派政権の樹立に向けた朝鮮改革の動きが進み、これに応じた民間志士が26年8月、朝鮮独立を目指す実力結社の天佑侠を釜山に設けた。時を同じくして杉山茂丸は参謀次長川上操六中将に会い、清国との早期開戦を訴える(堀雅昭『杉山茂丸伝』)。軍拡を益々進めた清国は、しきりに軍艦を日本近海に航行させ、挑発的な軍事演習を繰り返していた。大局はもはや事事行動による解決しかないと説得する杉山に、川上は長州閥の巨頭で枢密院議長の山県有朋大将への呼びかけを懇願した。山県は伊藤・井上の平和論に押され、且つ彼我の兵力差を憂いて開戦論を拒否するが、やがて川上の意見を入れて開戦論に転向した。因みに、薩摩と玄洋社の大陸政策にとっての障害は常に★伊藤の非戦論で、その因縁が後年ハルピン駅頭の伊藤暗殺をもたらしたものと思われる。
 
対清戦争の目的は、第一に条約改正を国力(軍事力)により推進すること、第二は日朝の連携を実現するためであった。既に国家の実質を失った李氏朝鮮国の支配を巡って、日清露の間で覇権争いが激化しつつあり、朝鮮国内では東学党の農民軍が決起を控えていた。東学党の騒乱に乗じて玄洋行が清国を挑発し、開戦の口実にしようと考えていた有様を、杉山の子息夢野久作が傑作『犬神博士』のなかで語っている。明治27年3月、東学党の蜂起と金玉均の暗殺を開戦の口実として、日清間に戦雲が沸き立った。現役に復帰し海軍軍令部長に就いた樺山資紀は、講和ごの28年5月海軍大将に進級、台湾総督に補せられた。樺山総督は6月17日、台北城内で閲兵式を行い19日に南進を開始するが、土匪の抵抗が激しいため一個師団では不足と判断し、28日大本営に対し一個混成旅団の増援を請求した。台湾総督府は民政を中断して軍政に移行、8月6日、台南平定の南方作戦を指揮すべき副総督を置くこととし、樺山総督の要請により、予備役中将高島鞆之助を8月21日付で之に任じ、現役に復帰せしめて南進軍司令官とした。作戦計画を決定した南進軍司令部に対し、22日付で南進命令が下り、激戦ここに2カ月、10月21日の安平陥落を以て台南征討は成り、樺山総督は11月6日を以て南進軍の編成を解いた。

28年12月に凱旋した高島は、翌年4月、第三次伊藤博文内閣が新設した拓殖務省の初代大臣に就く。台湾総督府の監督に当たった高島は、9月に第2次松方内閣に移行するや、拓殖務相兼職のまま2度目の陸相に返り咲くが、30年9月の行政整理で拓殖務省が廃された後は陸相を本官とし、31年1月までその職にあった。3年前、25年8月に予備役入りした高島は現役に復帰し、台湾副総督から拓植務相、さらに陸相を兼務したが、なかでも1年半に亘る陸相の座は、日露決戦の時機迫る折から、国内で最も重要な職位であった。28年8月5日、硝煙いまだ漂う中で早くも軍功表彰があり、戦時中に軍務大臣だった大山・山県・西郷従道が勲一等旭日桐花大大綬章を授かり、野津道貫(第一軍司令官)、樺山(台湾総督)、川上操六(参謀本部次長)、伊東祐亨(海軍軍令部長)が旭日大綬章を受けたが、この勲章を既に8年前に受けていた高島には何の恩賞もなかった。既達の爵位勲等が高過ぎて昇叙の余地なく、次の機会にという所だったのだろうが、その機会は大正5年の逝去まで終に来ず、没時に勲一等旭日桐花大綬章を賜わるまで実に30年もの間、何らの恩賞も受けなかった(位階の正二位は侯爵・首相級で、生前の贈位と思うが年次は未詳)。

  <続く>
 

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