カウンター 読書日記 ●『俗戦国策』 杉山茂丸 (4)
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●『俗戦国策』 杉山茂丸 (4)
 ●日露開戦 の章に茂丸のロシア観や文学観を吐露した一文がある。

 伊藤博文との関連で紹介しておきます。

 ****************

★我が露西亜(ロシア)観

 此の如く我日本は、日露戦争以来、我国の先輩長者が身魂を砕いて築き上げて来た犠牲の結果とも云うべき、対露戦勝の我国家を、其子弟たる現代の日本国民は、又、悲惨にも、現代の露西亜が発散する高毒素の宣伝にて毒殺(poisoningshou)せられんとしつつあるのである。
彼の「レーニン」「トロツキー」の高唱したる主義は、論拠を或る学問的意義に取りて、露国民を全部、発狂せしめた、即ち其目的が、革命である、曰く、
 一、階級を破壊する事、
 二、財産を共有する事、
 其次に高唱したのは、
○目的は、手段を聖化せしむるものなり。
これらの宣伝に、天性単純とう愚(バカ正直)なる露国民は発狂して之を実行したのであるが、其目的の実行とはドンな事であったか、先ず皇帝を銃殺する事と、皇后を辱めて虐殺する事と、皇族を悉く穴に入れて埋め殺す事と、国民が先祖以来働いて蓄えて居た財産を悉く没取する事とであった。

 此等の主なる目的を達する為には、ドンナ手段を取ったか、1ケ月に平均1千人ずつの反過激派を虐殺した、国民の財産と云う財産は全部剥ぎ取った、国民の弱者と云う弱者は、男女とも全部これを凌辱した、其の他に何事もしたこと事はないのである。ソンナ手段が、ドンナ目的の為めに、聖化せられたか、世界の歴史始まって、未だ見た事も聞いた事もない程の惨害を実行して、矢張り国じゃとか、政治じゃとか名を付けて、少しも恥しいとも何とも思わぬのである、而してやはり、日夜の声を続けて「サイ
エンス」呼わりをして居るではないか。
そもそも学問とは何物であるか、地球に土地あって以来の歴史に伴うて発生したる、吾人祖先人類が、伝統的に思念考慮したる種々なる記録にして、吾人以後、尚お幾億万年も継続して、思念考慮したる発明的記録を子孫に伝統せねばならぬと云う、純然たる未製品の筆記である。
左様な不完全なる薬剤を以て、僅かに60年の「ライフ」を「リミット」として生存して居る人間に向って之を療下せしめんとするは、危険此上もない事である、此等は恰も、薬局法未定の、有毒素の粗製薬品を以て人類に手指で投薬するのと一般である。
現代の世界各国は殆んど全部、此の未製品の学問中毒に罹りて、未定薬局法、投薬の原理、原則と云う毒素に内蔵其の他の生理的機能を破壊せられて、正に死に瀕しつつあるのである。
読者よ、欧北半暮の国たる露国と云うは、往古より大豪傑も出で、大学者も出たが、其性、懇頑ならざれば深酷、一種の偏倚性を有するのである故に、彼の文豪「レフ・トルストイ翁」の如きも其流暢なる文章で一篇の小説を綴るにさえ其の罪囚を保護し、一方、官憲を罵る行文の随所にも終始一貫して彼の懇願性と深酷味は顕われて居るのである。

今ちょっと其の一節の意味を抜き出して見れば、

◎「ペテルブルグ」の監獄に繋がれて居る幾多囚徒達の運命を自由自在に左右して居る男は、沢山の勲章を侍って居る最もイカメしき老将軍であって、彼は不断、襟に慈悲の表彰たる白十字章を吊して居る大官である。

 世間では遠の昔から彼は耄碌して居ると云われて居るけれど、ソーでないかも知れぬ証拠は、彼は立派な男爵で、将軍で、監獄最高の大官である、彼はドウして斯る光彩ある位置を得たのであるかと云えば、彼は多数の百姓達を強制にて其の頭を短かく刈込ませ、強制にて軍服を着せ、強制にて銃剣を担がせ、自ら夫(それ)を強制にて指揮し、強制の表現とも云うべき軍律なる印刷物を以て総てを圧迫し、監禁、幽閉、刺殺、銃殺を以て威嚇し、而して彼等百姓達の生命を掛けて保護防衛した物は、彼の老将軍等の単独な位置や、自由や、家産や、其の血族等の幸福と安寧等とであった。而して其の目的を達した時は、彼等百姓達の死屍は何千何万と血みどろになって、累々として原野に横わったのである。

 これだけの事を強制的に遂行した功労によりて、彼、老将軍が頂戴した幾多の勲章が、アノ胸間に燦爛ときらめいて居る彼品(あれ)である、夫から又彼将軍は波蘭(ポーランド)にも勤務した事がある。其所でも彼は百姓の食を奪うたり、衣を剥いだり、鞭で叩いたりした功労によりて色々の勲章や襟飾りを頂戴した、而して彼は今や高大な邸宅の中に、世界中で一番柔かにして暖かな「アーム・テヤー」(ママ)の中に老体を埋めて、尚お且つ旧来の位置を保って居るのである。

 併し彼は長年の習慣性で、上長官の命令が一度降下すると、恰も猛獅(ライオン)が兎を見付けたように「アーム・テヤー」から刎起きて、満身の精力を傾尽して、如何なる皮の鞭でも、鉄の棒でも、氷の刃でも、鋭利な鉄砲でも軽々と操縦して、其行為の前には、慈悲も、不憫も、気の毒も一切ないのである。
彼は斯の如く厳重に命令を奉ずる事のみを大切にして、此以外には譬え自己を人類外に放棄しても、其上司の命令に忠実なる無情惨酷を平気で遂行する能吏である、夫が即ち彼の今日の位置と、富と、幸福と、安寧とを築き上げたのである、故に彼が毎日職責と称して、身心を傾けて信じて居る事柄は、幾多の男女を、網羅したる罪人を、要塞の奥の独房の中に監禁して、10年間に夫等の半数が牢死したり、狂気したり、肺病となったり、自殺したり、餓死したり、硝子の破片で動脈を切って眠死したり、網紐で縊死したり、木片で柱を摺りて焼死したりするようの待遇を、アノ禿髪、白髭、跙歯屈腰(そはくつよう)の年まで、夫を光栄として瑕瑾なく勤務したる、光栄のある役目と思うて居る、男爵で、将軍で、大官で、富裕なる男であるのである。而して彼が、巨額なる国費を以て使役する幾百千の下吏僚属は、因襲的に彼を羨み、彼を学び、尚お一層それ以上に職務の能率を向上せしめんと務めて居るのを、彼老将軍は、全く自己の良心から視て、悪い事とも思わず、多くの罪人の苦しんで居るのは、アレハ純然たる天災の、風や、雨や、地震の如く不可抗力の災難に遭うて居るのと同じように心得て、自己単独の感覚に対しては、特殊の刺戟を受けぬのである。ナゼなれば、斯る総ての事柄は皇帝の御名によりて発布し、皇帝の聖鑑によりて執行せられる法律の遂行であるから、我々に何等の関係なく、関心なく我々に月給やら勲章やらを恵まるる上司の命令をのみ大切に遵奉するのに何の不思議があろうぞ。此等の事より発生する多くの故障と損害は、総て皇帝陛下に於て責任して下さるのであるから、ドンな大変が起ろうが、大乱が兆そうが、吾人の享有すべき月給と、年度進級と、養老年金と、合理的の賄賂の上には、何等の故障も及ぼすべき事ではない、故に此老将軍の愛国と云うも、忠義と云うも、正義というも、皆全部総て以上の行為の中に含まれて居るのである、云々。

 と、この「トルストイ」大文豪はスラスラと此を書いているのである。茲で読者は一考せねばならぬ、此「トルストイ」の此筆致と云うたら、何等の深酷であろう、何等の挑発であろう。

 此文豪の煽動に掛ったら殆んど踊り出さぬ者はない、飛出さぬ者はないのである。元来昔から文豪などと云う名は、動(やや)もすれば煽動名人の別号かと思わるゝのである。「ルーソー」(ママ)は自由平等の逆理窟を云うて全世界の政治界を煽動した、近松巣林子は非条理の男女恋愛を書いて満天下の心中情死を煽動した、「トルストイ」は偏倚なる反抗心を挑発して露国の下層民を煽動したのである。素より国家的統一心と常操とを有せざる戇頑なる露国民を、斯く念人りに丁寧に小説的にまで分け入って、為政家の困難する様にと煽動したのであるから、露西亜の政治は昔日から政治らしき政治は絶対に出来ぬように造り上げられたのである。ナゼなれば元々政治上の一部人として単なる罪人の監視者ばかりを攻撃する丈にても、政治的に反抗したる経歴とは犯罪者の警醒教訓と共に、一言も之を道破する所がないのである、只だ一向に筆を舞わし文を踊らして、其の彼等の犯罪と反抗とに対して、煽動奨励のしっ放しの跡より外、何物も見る事は出来ぬのである。

 ソコデ実際に於て「アナキスト」(無政府党)「ソシヤルスト」(社会党)「ニヒリスト」(虚無党)「ボルセビーキ」(共産党)等が蛆虫のように孵いて来て、露国は国でもなく、人民でもなく、単なる悪性の遊牧動物的となったのである。

此の如き露国が殆んど欧亜の地半面を占領して、其の披煽動者として、最も有力なる民族が殆んど一億数千万人も蠢動して居るから、其の気運はドウしても欧洲の他の国家や東洋の支那や日本等へも、風靡波動して来るのは当然である。而して其の風靡波動は、先づ第一に「サイエンス」に耳目を刺戟せられる学徒に媒介せられて、トウトウ教育界の色彩を混濁せしむる事となるのである。

★要心せよ日本国民

 此の故に、今日我日本帝国に於ても、現在お互の産んだ子供は悉く善良であり升、夫を学校に入れて置くと、其の日から漸次に此毒素に中傷せられて、段々に目が耳の辺まで裂けて来て、尻尾が一寸二寸ずつ伸びて来て、全部獣物になるつつある所であり升(ます)。                
 夫(それ)に直接間接に3~4億円の学費を掛けて、此の獣物を製造しつつあるのであり升、その製造掛りには、国家が、学士博士の称号を付したり、或は爵位や年俸の壱万円内外を与えて、上下官民共に挙って之を奨励しつゝある事を、決して忘れてはなりませぬ。

学問と云う物は人類の品位を飾る物にして、一日も廃してはならぬ物でありますが、人類、脳細胞の意思系統を刺戟する文学は、決して之を、意識する以上に「アップライズ」しては、大変な片輪を製造する事になるものであり升。
夫は庵主の説明までもなく、現世界の総ての人類が、理化学、科学工業以外に働きつつある文学的毒素は、露西亜その他の国家に「デベロップ」して居る事実丈けで、十分に分るのであり升(ます)。
即ち今の日本は、露西亜を征伐して勝った復仇に、学問的の高毒素を以て毒殺されつゝある所であり升。

 

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