カウンター 読書日記 ●『杉山茂丸伝』ー(11)
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●『杉山茂丸伝』ー(11)
 ●次に進む前に、この『杉山茂丸伝』に対する批評を紹介します。

 先ず、「其日庵資料館」 より。(坂上氏)
 http://www1.kcn.ne.jp/~orio/sonohi-an/sonohian_idx.html

 題して、★「虚構と妄言の偽伝 -「杉山茂丸伝」批評-」。
 http://www1.kcn.ne.jp/~orio/sonohi-an/shohyo002.html

 ***********

 本稿で批評する堀雅昭著「杉山茂丸伝《アジア連邦の夢》」は、杉山茂丸の偽伝である。虚構と妄言、そして誤謬に満ちみちている。ある側面において、実によく調べて書かれていることは否定しない。いくつもの事項で、筆者は本書から杉山茂丸の事蹟に関する新しい知識を得たことを認める。しかしそれ以上に、妄言と呼ばざるを得ないほど根拠なき憶測や邪推が展開されることに加え、随所に存在するさまざまな誤謬は、本書を杉山茂丸の伝記と呼ぶことを肯んじ得ないものにしている。その意味で、これは偽伝と呼ぶしかない。
 ・本篇について評する前に、本書のあとがきに付された「付記」に言及しておく。ここで著者は、本書が版元の予告よりも大幅に遅延して出版された経緯を説明し、読者に対して陳謝する姿勢を示しているのだが、この文章からは読者への陳謝にことよせて杉山満丸氏を非難する意思が芬々と匂ってくる。杉山氏が著者への協力を拒んだのは、この著者が本書の中で弄したレトリック、即ち著者自身がいうところの「匂い」を是とできなかったからであろうが、その杉山氏の行動を非難するために同じレトリックを用いるところに、筆者は何ともいえぬ不快感を覚える。この文章で杉山氏への非難を「匂わされた」不特定の読者に、杉山氏は自己の弁護を行うことができない。武器を持たない者が戦闘機で空から攻撃されたようなものだ。筆者には、どのような事情があったとしても、こういう遣り口が正当とは思えないのである。なお、本篇の批評においても、後ほどこれと同旨のことを述べようと思う。
もうひとつ、この「付記」に関して付け加えておく。著者は杉山氏からの協力拒否を受け、福岡県立図書館杉山文庫収蔵資料からの引用などを削除したと記しているが、筆者の見るところ、それは正確な記述ではない。相撲界の入間川親方や、陸軍の真崎甚三郎大将の回想、ラス・ビハリ・ボースと茂丸との会見の様子などは、杉山文庫に収蔵された談話速記などを参照しなければ書けないものだ。釜山港埋築に関する記述は「釜山日報」を参照しているが、この釜山日報の記事は原稿用紙に書写されたものが杉山文庫に所蔵されているから、或いはこちらを参照したものかも知れない。ほかにも杉山文庫所蔵資料を参照したと考えられる記述は随所にある。著者が「杉山文庫所収の諸資料を引用・使用した部分を削除するなど修正を施し」たというのが、具体的にどのような行為を指したものであるかが不明であるので、こうした事実のみここに記しておく。

筆者はかつて、杉山茂丸を伊藤博文暗殺の黒幕に擬した「暗殺・伊藤博文」(上垣外憲一・文春新書)(★註この「文春新書」は「ちくま新書」の誤り。2000年10月20日刊)と「伊藤博文暗殺事件」(大野芳・新潮社)への批判を試みたことがある。その当否はともかく、両著に対する筆者の批判の中心は、それぞれの著者が杉山茂丸という人物について、いかほどの研究をして著書を上梓したのかという部分にあった。しかし本書は、まさに杉山茂丸について、著者自身の言を借りれば「五年」もの間「全力投球」で調査研究してきたものの精華である。それだけに筆者は、このような著述が生み出されたことが不思議でならないのである。
  ・・・中略・・・

 筆者は、これほどに虚構と誤謬に満ちた著作が出版され、杉山茂丸に関心を持つ若い読者に読まれるのかと思うと、慄然たる想いを禁じ得ない。筆者は幸いにして、本書の正当な価値をいくばくか読み解く知識と資料を持ち合わせていたが、茂丸に関心を持ちながら関係書籍の高騰する古書価に手が出ず、本書の刊行で初めて茂丸の生涯を俯瞰しようとする若者が、多くの誤った知識を植え付けられるのだとしたら、本来文化的営みであるはずの出版という事業が、実に罪作りな営みに変じてしまうのである。誤謬を見抜けないままにこの著作を出版した弦書房は、もと葦書房のスタッフによって興された出版社であると聞いたが、あの良質な図書を数多く生み出した出版社にゆかりの版元から、このような出版物が登場してしまったというのも、悲しい限りである。  (2006.02.05)

 *************

 いまひとつの批評を、

 「谷底ライオン」
 http://tanizoko2.hp.infoseek.co.jp/sugiyama_sigemaru.html より。

 (51)杉山茂丸<アジア連邦の夢> 堀雅昭著 弦書房 

 「暗殺・伊藤博文」の系譜を引く茂丸暗殺黒幕説ものの一つ。伊藤だけでなく、児玉源太郎、原敬の死にも茂丸が関与したとする書。伊藤だけでも大概だが、原、児玉にいたっては、まさに開いた口がふさがらない。ゲリマンダーもここまで来ると怒る気すら無くなる。自分もあまり暇では無いので、ばかばかしくって読み終えるまでが大変辛かった。「暗殺~」は著者が茂丸の事を知らないだけ、まだましといえるが、本著は著者がこれだけ茂丸の事を調べるのに費やした労力の大きさがわかる分だけ、「なぜ、ここまで調べているにも関わらず、この内容なのか・・」と気落ちせずには居られない。“アジア連邦の夢”という副題も取って付けたようで空々しく感じる。あと、あとがき。あんなことを書く著者も著者だが、そのまま載せる編集者にいたっては職業的倫理観を疑問視せざるを得ない。そら~、怒るよ、普通。まぁ、お陰でこの本に杉山家は全く納得していない事が明記されたと見る事も出来るが。正直、現時点で一番手に入りやすい茂丸本がこの著だという事は大変不幸なことと思う。

 ****************  
 

 いずれも「為にする批評」でないのは明らかで、是非ご一読をお薦めします。

 ただし、論旨は「瓜二つ」です。

 ★左下のリンク先の「其日庵資料館」・「谷底ライオン」をクリックしてどうぞ。
 


 <補記>

  「谷底のライオン」(ブログ)の書評によれば、次のようにあるので、「補記」としておきます。
  *******
 
 (59)『其日庵の世界(其日庵叢書合本)』 杉山茂丸著 書肆心水 

  なんとまぁ、其日庵叢書まで出しちゃうとは、すげえよね。ここまでくると知る人ぞ知るという著作ではあるが、茂丸の思想を知る上では大変重要。“其日庵叢書の第二編 青年訓“に至ってはあっしも読んだこと無かった位です。皆が待望していた杉山茂丸の全貌に迫る長文解説「法螺丸の虚実」は、我等が“夢野久作をめぐる人々“の坂上さんによる力作。茂丸に興味のある人なら、解説だけでも買いです。
   

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