カウンター 読書日記  『新しい階級社会、階級闘争』を読む。
読書日記
日々の読書記録と雑感
プロフィール

ひろもと

Author:ひろもと

私の率直な読書感想とデータです。
批判大歓迎です!
☞★競馬予想
GⅠを主に予想していますが、
ただ今開店休業中です。
  



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


 『新しい階級社会、階級闘争』を読む。
 5。貧困が生み出す破滅と死


 貧困は、さまざまな形で社会問題を引き起こし、そして死を生み出している。病気、犯罪、殺人などの多くが、貧困と関係している。
2007年の夏は、全国的に猛暑に見舞われた。熱中症で亡くなる高齢者が続出したが、その多くはエアコンのない部屋に注んでいた人々だった。都内の福祉事務所に勤める教え子から聞いた話では、熱中症というふうに報道はされていないものの、この夏はエアコンのない家に住む生活保護受給者に、亡くなる人が続出したという。これも貧困の生んだ悲惨な出来事のひとつである。

 メタボリック症候群、糖尿病などの「生活習慣病」が、豊かさが生み出した病気として注目されている。しかし、依然として貧困こそが、病気による死の最大の温床であることを忘れてはならない。そもそも日本のような先進国では、貧困が糖尿病による死に結びつく傾向がある。

 東京23区で最も所得水準が低い足立区は、糖尿病による死亡率が全国平均を大きく上回っている。区の担当者はその理由を、「お金をかけずにおなかがふくれる食材を多用する食生活で、子どものころから肥満率が高い」うえに、「症状が悪化するまで受診しない傾向もある」からだと説明している(「東京新聞」二〇〇六年九月一六日)。     
 図表3・5は、経済状態別に健康状態が「悪い」と感じる人の比率を見たものである(JGSS調査データにより算出)。
経済状態は、貧困線以下を「貧困層」、貧困線よりは上だが平均以下の場合を「相対的貧困層」、平均から平均の2倍までを「相対的富裕層」、平均の2倍以上の場合を「富裕層」とした。
 40歳未満の場合には、経済状態による違いはほとんど見られない。しかし40歳以上になると、健康状態が「悪い」とする人の比率が、まず貧困層で跳ね上がる。次いで60歳以上になると、貧困層とともに相対的貧困層でも大幅に増加する。これに対して富裕層では、忙しい仕事から引退したためなのか、むしろ健康状態は改善するらしい。

 貧困は、悲惨な殺人も生み出す。たとえば、高齢化とともに増加してきた介護殺人事件。ここには、介護の負担という問題と貧困とが重ね合わされている。
2006年2月1日、54歳の男性が京都市の路上で86歳の母親を殺し、自分も死のうとしたが死にきれず、首から血を流して倒れているところを発見された。
母親は約10年前から認知症の症状を示し、男性は介護をしながら派遣社員として勤めに出ていた。ところが症状が悪化したため、男性は仕事を辞めて介護に専念することにし、生活保護を申請したが、失業給付金を受けていることを理由に受理されず、仕事を探すうちに経済的に行き詰まってしまった。最後の日、男性は母親に「もう生きられへんのやで、ここで終わりやで」と語りかけ、母親は「そうか、あかんか」と応じたという。

 2007年2月、大阪市で病弱の夫を放置して餓死させたとして、50歳の妻が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。主婦は前年の1月下旬から、寝たきりの夫が衰弱して食事をしなくなったことに気付いたが、診察を受けさせていなかった。国民健康保険はその前の10月で切れていた。
 夫は会社勤めの後独立して事業を始めたが倒産、再就職したものの体調を崩して退職し、その間に消費者金融から100万円を借りていた。主婦は、昼間は工場で働き、夜と週末は焼き肉店やお好み焼き店でアルバイトと、深夜まで働き通しだったという。警察の調べに対しては、「時間もお金もなく、頼る人もいなかった」と供述している。

 いずれのケースも、貧困が関係している。そして生活保護が、それを必要としている人々をちゃんとカバーしておらず、また保険料を滞納すると問答無用で無保険状態に突き落とされるという、行政側の要因も垣間見える。

 経済的な格差の拡大が、自動的に貧困を生み出すわけではない。低所得の人々の経済水準はそのままで、高所得者の所得だけがますます上昇するというタイプの格差拡大もありうるからである。
 しかし日本では、経済格差の拡大が低所得層の所得の減少と、高所得層の所得の増加という形で進み、貧困層を激増させてきた。それは、もはや経済統計上の量的な問題を超えて、日本社会を危険水域に導いているように思える。 
 

  
  第三章 貧困化する日本  <完>。

  以下、心に響いた章・節を紹介していきます。



スポンサーサイト


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→http://2006530.blog69.fc2.com/tb.php/350-9f2ca478

( アルバイト )についての最新のブログのリンク集

アルバイトに関する最新ブログ、ユーチューブなどネットからの口コミ情報をまとめてみると… クチコミコミュニケーション【2007/12/13 19:41】



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。