カウンター 読書日記 『オールニートニッポン』(12)
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『オールニートニッポン』(12)
 第4章 フリーターの希望は戦争か

 ●フリーターは労働者である

 赤木: ★「フリーターは労働者である」というごく当たり前のことを理解させるのは、もうどれだけ大変か・・・。
杉田: そこが絶対にインプットできない人っていますよね。フリーターの多くが労働が嫌いなのではなくワーキングプアなんだし、フルタイムの社員よりも労働時間が長い人もいるのに、ほとんど★身分のような賃金格差があったりする。それに社会はつねに相対的に過剰なフリーター層を必要としているわけだから、文字通りイス取りゲームですよね、ある人が正職になればある人は非正規になる。シンプルな、構造の問題です。これらをどんなに説明しても、「本人のやる気だろう? 努力だろう?」という思い込みが1ミリも動かない。
赤木: あと、ちょっと頭いい人で、若者を批判したいという人は、ニートのことをあえて取り出して、ニートは働いていないから」という話をするんですけれども、やっぱりそれはフリーターにも矛先は向いていますよね。
雨宮: フリーターバッシングって「甘えている、だらしない」系ですよね。「自立をしていない」みたいな。本田由紀さんの『若者の労働と生活世界―彼らはどんな現実を生きているか』(大月書店)の中で、湯浅誠さんと仁平典宏さんが「若年ホームレス」という論文を書いていて、すごく「ああ、なるほど」と思ったのは、★「正社員層がどれほど*企業福祉に依存してきたのか」ということ。今までのお父さんみたいな、年長者は・・。、びっくりしますよね、だって、あの人たちは風邪ひいて1日休んでもクビにならないとか、失業保険があるとか……。
赤木: すごいですよね、有給休暇とかあるんですよ。
雨宮: そう、有休があるとか、3ヵ月うつ病で休んでもクビにならないとか、何かもう信じられないぐらい整った環境じゃないですか。そもそも★銀行の住宅ローンなんて、正社員しか借りられないようになっていますよね。国家政策として、正社員層のいわゆる今40代以上ぐらいの人は守られてきて、国と企業にものすごく依存してきたのに、1人で生きてきたような顔をしていて。それで今、まったくの1人で放り出されているフリーターが、「だらしない」と言われる筋合いはないんですよね。そういうことを湯浅さんが書いていて、「そうだ、この言い方があったか」とすっきりしましたね。上のバッシングをしてもしようがないんですが。

●今、米騒動が起きているのに・・・

雨宮: 会社員の方からの質問で、「正直に言って、赤木氏の意見には幼稚な部分がかなり含まれていると思うのですが、雨宮さんはかなり評価されているご様子。本音のところはどうなんでしょうか」……(笑)。嫌な質問っていうか、まあどうなんでしょうね。さっき杉田さんが言ったことで本当に納得したのは、すごく赤木さん、いい人なんですよね。
杉田: いや、今日ご本人に会って、本当はもっと批判しようかと思っていたんですけど、人柄にひかれてしまったので(笑)。強く反論できなくさせる何かがありますよねえ。
雨宮: 私は最初に「希望は、戦争。」を読んだときに、これだけ揺さぶられる文章を読んだのはもう何年ぶりだろうと。しかも、自分の実情と社会との関連だとか、今問題とされていることが全部書かれているなと思って。プラス、自分が右翼時代だったときの気持ちをすべて代弁されたような気持ちになったんですね。これで、自己責任論に縛られているたくさんの人たちとか、この状況が何なのかわからない人が、「気付く」と思ったんですよ。それに気付くのは、もちろん当事者もそうなんですけど、「(左は)救ってくれなかったじゃん」という恨みってやっぱりあるんですね、私にも。今はやっぱりいろいろな人とうまくやっていこうと思っている部分もあるので、あえて私は赤木さんのように左派への攻撃というのはしませんけど。私が一緒にやっているのは、当事者の左の人たちというか、プレカリアート運動の人たちなんかで、上の世代の人いないですからね。でも、その上の世代の左派の人たちが、フリーターを一番助けてくれなかった。そういう人たちが逆に、後藤和智さん言うところの、俗流若者バッシングをしていましたよね。だから、「おかしいな」と思っていたんですよ。「今どきの若者は」、「(君は)フリーターなんかで、だらしない」みたいなことを言っていると、左翼が嫌う「モラル」だとか「公共心」だとかを問うことになる。それは憲法改正にいってしまう道筋なのに、「何で若者バッシングするのかな」という思いがすごくあって、そこのジレンマがあるにもかかわらず、結局フリーター問題というのは放置されてきた。今、
フリーター当事者が、もう生きていけないということで運動を始めているのに、やっぱり上の世代の左翼のおじさんなんかは、「生活レベルの運動をしている」、「ちっちやいことをやっている」みたいな認識があるような感じがして。「憲法の問題をやれ」という圧力も感じたり。でもそれどころではない(笑)。
赤木: うん。
雨宮: やっぱり上の世代の人たちは、★頭でやってきましたよね、運動を。今、起こっている運動は米騒動ですよね。
杉田: 明治期には自由民権運動から米騒動や焼き打ちがあって、★大逆事件に至る流れがあって、今はそういう感じなんですよ、たぶん。今は「楽しいサヨク」でやれるけど、今後ますます殺伐としてくるのは間違いない。きれいごとじゃなく、今以上に露骨な暴力の領域の中に入っていくと思う。冤罪で左翼が処刑されたらどうなるのか。そのときになお貫き通す心
があるかどうか。この水準から考えないと。
 *「大逆事件いたる流れ・・」の発言は、年表的には誤り(大逆事件は明治、米騒動は大正)だが、発言の主旨は変わらないので、そのまま引用する。

雨宮: そうですね。でも私は楽観的なところもあります。反貧困ネットワークも「これは米騒動だ」って弁護士さんが言いますからね(笑)。高円寺一揆も、ホントに「一揆」ですし。
本当に食えないっていうところから、「もう何かやらなきゃ生きていけない一ということで、始まっちゃっているところが、私はすごく魅力的だと思うんですね。もう原始的なので。
赤木: 私に対して「幼稚だ」というわけですけれども、その質問を聞いて思ったのは、それは自分も自覚しているんですよ。例えば大学出て、大学院出て、そういうところで社会活動や運動やっているような人たちに対して、自分は知識もないし、ものを論じるときの論理性だとか、そうした実力もないですよ。はっきり言えば素人ですもん。ただ、その素人が何でこうしてこっち(ゲスト側)にいなきゃいけないのかっていうことですよね。
 だって自分としては普通の生活をしているわけですから、絶対そちら(客席)のほうにいるほうが自然だと思うんです。自分としては、こういうことを語って外に出たくないんですよね。だから、ネットで例えばずっとハンドルネームで論じていて、その後本名に直して、「仕事くれ」みたいな話を書くわけですけれども、そのときに、自分が本名を出さなきゃいけないところに追い込んだのは、じゃあ誰なのかということですよね。すると、やっぱりその幼稚でない人たちなんですよ、自分をここにいさせてしまったのは。そういう人たちが本当はやらなきゃいけないことをまったくやらなくて、だから、自分みたいな素人がこうやってこっちに出なきゃいけなくなってきた。それがすごい腹立たしいんですよね。
杉田: その場合、貧困に対する現在の対抗運動を、過去の歴史の文脈に位置付けるのも重要ではないか。例えば70年代には障害当事者の運動、あるいはウーマンリブがありましたよね。「青い芝の会」という、ものすごいラジカルな脳性マヒ当事者の運動があって、自分たちの生存権を守るために必死に闘うわけですけど、同時に「自分たちが何でこんなことしなきゃいけないのか」ともはっきり述べる。つまり、ただでさえ社会的に排除されている自分たちが、なんでさらに声を張り上げなきゃいけないのか。二重におかしいと。にもかかわらず、声を上げれば「障害者のくせに偉そうなこと言うな」と叩かれる。そういう構造があって、障害者とフリーターの問題は、どうつながるのか微妙なポイントはいろいろあるけど、構造的には似ている面もあると思います。
雨宮: それは若松孝二さんの反論「フリーターでつらいんだったら運動しろ」みたいな?
杉田: ああ、誰か言っていましたね。
赤木: そうですね。全体的にみんな文句言っているからね、何かね(笑)。
雨宮: 全体的にそうですけど(笑)。だから、「運動したくない」 っていう文脈も認められていいわけじゃないですか。
赤木: そうなんですよ。
雨宮: 「いっぱい・いっぱい」なんだから。本当に貧乏で大変だと、労力はないし、時間ないし、
金ないし、運動できないですよ。会議するっていったって電車賃がないわけですからね。
 *********
 

 第4章●おれたちは飲み会の費用が出せない へ続く。


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