カウンター 読書日記 『オールニートニッポン』(8)
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『オールニートニッポン』(8)
●金持ちの片棒は担ぎたくない  

雨宮: 会場のお客さんから来ている質問です。「労働や貧困の問題に対して問題意識を持たない人の姿勢を変えさせるには、どんな方法を使いますか?」。労働というか、若い人たちの生活が不安定化している。でも、多くの人は問題意識を持ってないという現実もある。
梶屋: 「自分が悪いんだ」という感じになっている人たちが、いっぱいいるんですよね。
雨宮: 「社会のせいにしたくない」というフリーターの声はすごく多く聞きます。でも松本さんは、「自分が悪い」とは、ちっとも思ってないですよね。
松本: おれ? 何にも悪いことしてない(会場 笑)。
雨宮: でも、多くの貧乏な人は、「貧乏なのは自分のせいだ」と、自分を責めてたりするじゃないですか。そういう人にどういう言葉が有効か、どう言えばいいか?
松本: どうなんでしょうね。だって全然悪くないですからね、何にもね。
雨宮: じゃあ、何が悪いと言えますか?
松本: そりゃ、金持ち連中がぼったくりばかりやってるからいけないんですね。大企業でも何でもいいんですけど、そういう連中があまりにも貧乏人をこき使ったりしてる。その辺がとんでもないわけであって。おれはむしろそういう世界から離脱しようと思ってるんですよ。
雨宮: 離脱というのは、働かないとか?
松本: 働かない。もう悪いやつらの片棒は担ぎたくない。
 「仕事やめよう」というお客さん、結構いるんですよ。本当に仕事に疲れて、「もうこんな仕事やってられないよ」っていうような愚痴言いに来るんですけど、「じゃあ、,一刻も早く辞めたほうがいいよ」と、辞表書いてあげたことありますもん(会場 笑)。
 餓死する危険性が出てくるから、これはこれで大変なんだけど。でもやっぱり、向いてないことでストレスためて、死にそうになりながらやったり、うつ病になったり、自殺したりとかになったらしょうがないですからね。

●親に頼れないとホームレスになりやすい

雨宮: 私が取材したホームレスになってしまったフリーターの人たちって、やっぱり親が原因なんです。家庭の経済状態で大学に行けなかったとか。あと、フリーターだと風邪をひいて仕事を1週間休んだらもう家賃払えないですよね。多くのフリーターはそこで親に頼むんですけど、親が貧乏でお金がないとか、すでに亡くなってたり入院していたりで親に頼れないフリーターから、どんどんホームレスが出ている。私と同世代の人も多いです。私が高校出たのが93年、バブル崩壊と重なるんです。だから、自分の世代で考えると、バブルが崩壊して、不況になって、親がまず大変な目に遭って、それによって子どもの能力形成がされないということもあって、フリーターになっている。話はつながるんです。「個人」の問題で
はない。
梶屋: 親の所得によって子どもの能力形成に差が出るのは大問題ですよね。就職氷河期世代の人たちにフリーターが多いのは、構造的な問題だとよくわかりますね。また、一度非正規で働くと正規に戻ることが難しいし、派遣だと職場が変わるので人間関係をつくるのも難しい。
雨宮: ブルーカラーでも正社員で入れれば居場所を見つけられるけど、非正規雇用で派遣とか請負で工場に入ったら、もう3ヵ月、6ヵ月で職を失ったりと、生産調整によって使い捨てなので、ブルーカラーの入り口が正規雇用か非正規雇用かでも全然違いますよね。30代にもなれば年収は倍違う。フリーター第1世代は、もう40代に達してることが問題ですよね。梶屋: 年齢の問題はありますね。昔の期間工は、半年勤めて、慰労金みたいなのが最後に40万円とか「ぽん」と出たらしいんです。期間工の方は今もいると思うんですけど、それよりも今は、偽装請負という形で工場で働いている人たちが問題。派遣会社、請負会社にピンはねされて、その上、スライドといって、いろいろな工場に飛ばされたりして、退職金みたいな慰労金も出ない。ブルーカラーの現場自体もどんどん劣化というか、悪くなっていくような状態。
雨宮: びっくりしたのは、昔は工場に短期で働くのは、何かやりたい人がどっと稼ぐためだったけど、今はそれを普通に仕事にしている。そういう製造業にいるフリーターは100万人と言われていますよね。それで、寮費とか引かれて結局もらえるのは月に19~13万という状態なので、工場労働の質が変わってきちゃったなと感じますね。
梶屋: 昔だったら、ちょっとドロップアウトしちやった人たちを、例えばものづくりの会社だったら、「プラモデルをつくったことがあるか? そういうの好きか?」「はい」って、それだけで採ってくれて、しっかり育ててくれるような中小企業が結構あったのに、ここ10年、20年ぐらいでもうなくなったという話も耳にします。(*これは、体験的にも事実で、待遇はほぼ同等、なにより、優しさが感じられた。)
 請負労働の人たちでも、最近の人たちは、10年以上も勤めているような人がいて、請負とか言いながらも、もう職人と言っていいぐらいの技能の人たちがいるんです。そういう人たちも非正規雇用のままで働いているという実態もあります。ただ、その反面、フリーター、派遣の人たちで、「正社員なんてまっぴらごめんだ」と考えている人はたくさんいる。
雨宮: 非正規雇用だと健康診断が受けられないという話を聞いてびっくりしました。例えば鉛を扱う仕事で、正社員は、血中鉛濃度が高まって危険だから外されるのに、派遣は★健康診断すら受けられない。私が取材している過労自殺した派遣社員の23歳の男の子は、やっぱり健康診断を受けられなくて、その中で弱って死んでいった。請負会社、派遣会社がその人がどういう働き方をしているのか、リアルタイムで全然知らないので、管理しようもない。その1件だけだったら、まだその工場がそんなにひどいとは言い切れないのかもしれないんですけど、驚いたのはその1年後にまた23歳の男の子が今度は突然死したんですね。絶対何かある。でも全く野放しになっているのが恐ろしいなと思います。
 ・・・中略(●「おれの自転車を返せデモ」)・・・

●ひきこもりをいぶりだそう

雨宮: 前、私はこのラジオで、「ニート、ひきこもりの革命を起こそう」と言ったら、「まず集団行動ができないから、無理」と言われました。フリーター労組に入る人って、最初、組合員になることに抵抗はないんですかね。
梶屋: 今のフリーター労組の中心で活動してる組合員の人たちは、もともとそういった運動をやっていた人たちです。新しく入ってくる組合員の人たちは、相談に来られて、団体交渉をするという前提でなっていますので、抵抗というのはあまりないです。でもそういった、集団行動できない人たちを巻き込むしくみを考えないといけませんね。
雨宮: でも、今働いてる環境で何も問題がないと、非正規の組合の会員になっておいたほうがいいという発想をする人は、圧倒的に少ないですよね。どうやったら松本さんのように仲間をつくれるんですか? そこで戸惑っている人が圧倒的多数だと思うんですよ。
松本: それは難しい。うちらも仲間はたくさんいるし、お客さんとか遊びにくる人に「飲んでいきませんか」と誘って、それで仲間になったりもするけど、家から外に出るのが嫌だっていう人も結構いるじゃない。そういう人たちとどこまで仲間になれているのか、わからないですね。すぐ隣のアパートに住んでいて、家から出ない人だっているかもしれない。
雨宮: ここに来ている人は少なくともひきこもりではない。ひきこもりの人たちはネットで今これをリアルタイムで聴いている。連帯はぜひしたいんですけど、なかなか難しいところなので、松本さんとかフリーター労組に頑張っていただいて。
松本: とりあえず街中大混乱にしたら何か出てくるんじゃないですか? ものすごい轟音が聞こえてきたり、家が傾きそうになったりしたら、ひきこもっていても、「何だ? 何だ?」ってなるじゃないですか。
雨宮: とりあえずは窓は開けますよね。
松本: それぐらいやったほうがいいのかな。そうすると怒られそうだな。
雨宮: 乱し始めるっていうことですよね。
松本: うん。とりあえず乱すのがいいかなと思ってるんです。


●格差社会に絡め取られている

梶屋: 今回の格差社会云々というのは、安定した生活してる人、それなりにうまくやっている人からしたら、全然別世界のような感じの話です。けれども、その別世界というのは、実は少し油断しているだけで、すぐ近くにあるんですよね。
雨宮: ★恐いのは、当事者にもリアリティがない。「この豊かな日本で、まさか自分かホームレスになるなんて」と。ホームレス経験のあるフリーターの人に取材しても、途中まで、ホームレスになった自分は「笑い事」というか、フリーターというアウトローな生き方をしてきて、それで家賃滞納して、だから追い出されて、「おれの生き方の武勇伝」の結果みたい
なところに最初はなるんですよ。そこに「ホームレス」という自覚がない。
梶屋: 昔の低所得者層であれば、★ある一定の地域にみんないて、例えば日雇いの仕事で一緒にトラックに乗って行ったりして、というイメージがあるんですが、今の人たちは一緒に住んでないし、住んでるところさえもよくわからない。携帯で呼ばれて一箇所に集まって、そこから仕事に行く。そういうのは見えにくいんですよね。
雨宮: ★マンガ喫茶が寄せ場になっている。もうひとつレストボックスですよね、フリーターの飯場みたいなところ。仕事を紹介してくれて、そこの仕事をすれば、そこに1500円ぐらいで泊まれる。登録している人がもう何千人といる。それだけの家のない人がいるんだけど、一概には否定できない。マンガ喫茶と違って、二段ベッドだけど、足を伸ばして眠れる、そういう所を必要としているので、そこを否定しちゃうと困るんてすけどね
梶屋: ただ「レストボックスよりマンガ喫茶のほうがいろいろ物がそろっていていい」という話があるんです。
雨宮: 歳が上のおじさんにフリーター問題を理解してもらえないのは、「自分の若いころのほうがこんなに貧乏だった」というようなところですよね。聞くと確かにそうなんですよ。だけど、その人は貧乏だったけど、正社員として会社に入って、そこから出世してとか、勤めていたら家が買えたりとか、ちゃんとのし上がっていけたんですけど、今、貧乏な人やフリーターの入って、一生フリーターでいる確率がすごい高まっている。正社員として採ってもらえないので、フリーター第1世代はもう40代になって・・。
 今のフリーターの平均年収が106万円。フリーターである限りそれぐらいですよね。それでは30代、40代は暮らしていけないし、もちろん結婚もできない。
松本: 今の世の中って、やたら金が掛かるようになってますからね。昔は低収入でも豊かに遊んだりできたけど、今って携帯持ってなきや駄目だし、街に出るだけで何だかんだと金取られるようなシステムになってるじゃないですか。それは絶対金持ち連中の策略ですよ。どんどん、いろいろなシステムをつくり上げている。
************
・・・ 第三章 続く。
 

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