カウンター 読書日記 『オールニートニッポン』(5)
読書日記
日々の読書記録と雑感
プロフィール

ひろもと

Author:ひろもと

私の率直な読書感想とデータです。
批判大歓迎です!
☞★競馬予想
GⅠを主に予想していますが、
ただ今開店休業中です。
  



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


『オールニートニッポン』(5)
●すべての問題は貧困に通じる

湯浅: 青山のウィメンズプラザで「もう我慢できない 広がる貧困3・24集会」という集会をやりました(2007年)。いくつか特徴があったんですが、ひとつは広い枠で実行委員を組んだことです。雨宮さんもいれば今野さんもいた。労働組合の人たち、派遣労働ネットワーク、首都圏青年ユニオンとか主に非正規の労働問題に取り組んでいる人たち、連合もいました。もちろんホームレス関係の団体もあったし、女性問題をやっている人たち、障害者の団体、日本で最も当事者運動を進めているDPIという人たち、法律家の人たちもいた。なぜ大きな枠で実行委員会を組んだかというと、★自殺の問題を突き詰めていったら貧困の問題にぶち当たる、ひきこもりの問題を進めていったら餓死の問題にぶち当たるからです。
 いろんな問題の背後に★貧困の問題がある。労働問題で不当な扱いを受ける人たちの中には、そういう労働条件の中でも働かなくちゃいけないという貧困の問題がある。福祉の問題も同じです。ホームレスの人たちというのは、その最もわかりやすい形態ですね。学校給食費の未払いの問題とか、病院にかかれない、医療費が払えないという問題、あるいは国民健康保険証が取り上げられてしまうという問題(医療難民)、それらが全部、貧困の問題に関わっている。いろんな分野の人たちがそのことに気づき始めたんです。例えば、今回の実行委員会の中に弁護士さんがいました。彼はヤミ金被害者対策をずっとやっていた人なんです。彼が非常にわかりやすく言ってましたが、ヤミ金被害に遭ったという人が相談に来るので、解決する。で「ヤミ金に手を出したらどんなにひどい目にあうかわかったでしょ」と言われて、相談に来た人は帰っていく。でもまた何ヶ月後かにヤミ金に手を出して来るわけです。一般の法律家の人は、「あれだけ言ったのに、なんてだめな人なんだ」ということになるわけだけど、彼は気づいたんですね。結局この問題は、もともと生活が成り立ってないという貧困の問題があるわけで、それを何とかしなければ、何度ヤミ金被害を解決したってだめ。貧困の問題に手をかけるしかないと。これを★「貧困原因の多重債務」と私は呼んでいます。
 もう1つの特徴は、当事者の人たちの発言を重視しました。当事者の9人の人、マンガ喫茶で寝泊まりした経験のある人、野宿した経験がある人とか-今日(この会場に)来てますけど。
雨宮: 後ほど登場していただきましょう。

●問題は1人の人間の上に重なって起こる

湯浅: あるいは派遣の労働をやってきた人、シングルマザーの女性、DV被害で逃げてきた外国人の女性、障害者の人、難病の人、そういう人たちに話してもらった。それはなぜかと言えば、貧困の問題というのは、労働の問題であり、福祉の問題であり、住宅の問題であり、金融の問題なんです。こう言うと、各分野に分かれた問題のように聞こえるかもしれませんが、結局1人の人の上に折り重なって起こるわけです。仕事でどうにも生きていけない、福祉事務所に相談に行ってみたら「おまえ若いからまだ働けるだろう」と追い返された。しょうがないからサラ金に手を出した、サラ金に手を出したら恐ろしい目に遭った。当事者の人にはまとめて起こる。そのことをどうやったら伝えられるかと考えると、それを経験している当事者の人に話してもらうのが一番です。
 重筋無力症を患っている方、「体を使っているとどんどん筋肉の疲れを感じてしまう」という難病の方が最後に発言されましたけど、仕事をしていると力が出せないから→使えない」ということになる。見た目は何ともないから理解されない。で、仕事をクビになって生きていけないから福祉事務所に相談に行きました。そしたら「『あなたここに歩いて来たでしょ。歩いて来れる人は障害者ではない』と言われた」と言うんです。その人にとっては、労働と福祉の問題は一緒なんです。そういうことを当事者の人に語ってもらった。
もう1つは、それらを通じて、「貧困の問題を社会的にどうするんだ」と投げかけたということです。それはどこか特定の団体とか、政府の特定の省庁が何かをやれば解決する問題ではない。社会全体、政治全体がこれに対して対応を迫られているはず。我々はずっと、企業が成長すれば我々の生活も豊かになると言われてきた。「いったい、いつになったら豊かになるんだ」「もう我慢する必要はない」、そういうことを訴える集会でした。
420人もの人が集まりました。この集会の成功によって、次も何かやろうという気運が盛り上がってきた。今後もそういう働きかけを強めて、★社会の力の問題として考えていきたい。そういうことが放置される社会は弱い社会。社会の力をどう強めていくのかを考えていこうと思っています。

******************

●意図された低賃金

雨宮: 明らかに社会が悪いのに、自分のせいだけじゃないのに、そう言うと「子どもっぽいことを言うな」と言う人がいるんですけど、どうしたらいいんですか? そう言われちゃうと、対応のツールがないというか、最初の最初から話さなくちゃいけないじゃないですか。
今野: フリーターが悪いと言われる、低賃金になっているのもおまえのせいだし、そもそもフリーターになってんじゃねーよ、と言われるわけです。でも、実際に今の社会、フリーターがいないと成り立たない。政府がそういう働き方がほしいからと作りだしたものでしょ。
雨宮: ネットからも、「若者の生きづらさ、みんなの働きづらさは社会の構造が作り出したものだと指摘されていますが、どういう構造が作り出したのか聞きたい」という質問が来ています。今野さん、あざやかにぶったぎってください(笑)。
今野: 昔は大量生産・大量消費で、たくさん人を雇ってたくさんものを作って、生産性がアップしたら給料も上がってという、単純化するとそういう好循環が成立していました。ところが今は物も余っているし、作るにしても、必要なとき必要な分だけ作ればいい。需要があって注文があった分だけ作りたい。★サービス産業化は、そうした傾向を強めます。つまり、経済構造そのものが変わってきたのです。そうすると仕事は細切れになることは必然的。そこまではわかるし、それに合わせた働き方をさせたいという気持ちもわかるんですよ。だからフリーター、オッケーだと思う。短期雇用だと、働きたいとき働くことが可能になる。必要なときだけ働くという自分のライフプランだって可能になる。そこまではいいんです。ところがそういう働き方をすると、★なぜか超低賃金になる。そこに合理性も理由もないんですよ。細切れ雇用や必要なとき必要な分だけ働くということが当たり前のモードになってきていて、政府も認めざるを得ない。そういう方向に来でいるのに、なぜか絶対に超低賃金。そこだと思うんです。それは★意図された超低賃金。それによって企業はものすごく儲かっているわけです。働き方が変わったんだから、変わった働き方でも生活できるようにしないといけない、そういうところにみんな薄々気づいているんだけど言えない。それだけのことじゃないかなと思うんです。さらに言うと、フリーターが今の社会を作っているんだから、経営者の人が目の前にいたら「あなたの会社では絶対にフリーター使わないんですか」と言いたいですよね。自己責任でフリーターになっている人が悪いと言うんだったら。
湯浅: 社会が悪いということをどう捉えるかという問題ですが、バリアフリーを考えればいいと思うんです。障害者の方たちが何十年もかけて作ってきた概念で、例えば駅にエレベーターを付けるということですが、これは「障害を持っている人たちが電車に乗れないのはかわいそうだ」ということで付けているわけではないんです。少なくとも障害者の人たちはそ
ういうふうに主張しているわけではない。むしろ障害を持っている人が普通の人と同じように暮らせない社会は、社会の不自由であると考えている。だから駅にエレベーターを付けるのは、★社会が自由になるために、社会自身が力を付けるために必要なんだということなんです。
 この考えは、フリーターの人にもニートの人にも貧困の問題にも当てはめられると思うんです。当てはめなきやいけないと思うんです。ニートと言われる人、ひきこもりと言われる人が生きていけないのは、社会が不自由だからですよね。だから、抵抗形態としてそれを選ばざるを得ないわけです。その人たちが生きていけるようにするのは、★社会の底力の問題です。

●正社員の環境も劣悪化している
佐野: 僕はもっとシンプルな問題だと思うんです。フリーターという言葉ができたのは、たぶん1980年代の終わりだと思うんです。だからもう20年くらい前のことです。当時はフリーアルバイターといって、自由に働ける輝かしい存在だったわけですね。それが90年代に入ってネガティブな意味を帯びるようになっていって、実際調査をしてみると、フリーターの人たちはやりたくてやっているわけではなくて、むしろ正社員になりたいと思っている方が8割、9割。若い人が働くというのはどういう意味かということを、もう一回考えたいんです。
雨宮: 私は兄弟全員がロストジェネレーションなんですよ。私自身が高校を出て、大学に行けずにフリーターになった。私の弟は某ヤマダ電機(笑)で働き、過労死寸前になって労基署にも行き弁護士にも相談したけど、何もならなかった。もうI人の弟が、去年、医療難民になってしまったんですよ。保険証が使えなくなった。兄弟3人が満遍なく被害を受けていて、それなのに今年が売り手市場だとか聞くと、もう頭に来る。殴りたくなりますよ(笑)。
今野: この間もユニクロでパートを正社員として5000人採用とか、キヤノンで1000人採用というニュースがありましたが、正社員自体の内実が変わってきていると思います。だって終身雇用じゃないし、賃金は年功序列じゃない。正社員の中にも格差が進行していて、時給換算すると500円とか、そういう正社員層というのもまた出てきている。そう考えると、今回の売り手市場と言っても、今までの正社員という言いかたでは計れない。
 法律の変遷を見ていても、★雇用国会とか言って、労働法をまた変えるといってます。参院選の絡みで法案を柔らかくはしているんですが、少なくとも2つ言えるのは「簡単にクビにできるようにしよう」ということで、どんなひどい理由でクビにしたとしてもちょっと金払えばいいようにする。もう1つは、どんな約束をして会社に雇われたとしても一方的に内容を変えられるというものです。すると正社員として就職してもどんな内容になるか?
佐野: そういう問題があるんです。若い人が働くことにどういう意味があるのかというと、正社員としてどこかの企業に勤めることで社会に出るわけですよね。そこでスキルを身につけたり、キャリアを形成したりして社会人になっていくというのが、従来の日本社会の人間の作り方。でもフリーターだったら、スキルもキャリアも作れない。つまり日本社会総体として、★若い人たちが社会に参画するチャンスを与えられない社会に、いつの間にかなっている。若い人が社会にもまれて、考えを身につけていったりすることができない。そういう社会に未来があるのかないのか、問うのもばかばかしいでしょ。そうすることで日本社会は衰弱しつつある、崩壊の危機に瀕している、そんなふうに考えたほうがいい。
雨宮: 今日ネットラジオを聴いている人もニートの人が多いと思いますが、ニートの人のほうが当たり前。そんなところで過労死するのかと考えたら、ニートになるのは普通のことだし、正常な反応であって、ここ10年くらい見てても、ニートで生き続けたほうがまだマシというところがある。逆に頑張って働こうと思って実家を出て、スポット派遣とか製造派遣の短期雇用をやっちゃうと、ホームレスが近くなる。ネットカフェ難民になりやすくなる。
佐野: 排除された人たちも大変なんだけど、★実は排除する社会が、排除するたびに弱くなっていく。そういう状況を政治家や経営者、官僚が自覚できなくなっている。二重三重に、社会が危機的状況にある。
湯浅: 意図的に作ってるんじゃないですか?

●社会の力が弱くなっている
今野: 今の話、興味深かったのですが、大人という概念が成立しなくなっているのではないでしょうか。フリーターは子どもだとみなされている。だから小遣い並みの賃金でいい。それが企業の扱い方です。でもフリーターもそれで生活してるんですよ。今までのように、大企業に正社員で就職した、しかも男性が「社会人」である、「大人」であるという観念は捨
てないとダメなんです。社会のあり方が根本から変わってきているんだから。
佐野: 経営者がけしからん、社会がけしからんという言い方もいいんだけど、こういうことをしていて困るのは社会自身だということを言いたい。
雨宮: 本当に困りますよね、数十年後。
佐野: 僕はもう65歳だから、社会が悪いなんて言うと天に唾しているようなもので、こういう社会しか残せなかったのかと、僕は政治家でもなんでもない、一介の大阪のオッサンなんだけど、すごく責任を感じるんです。
湯浅: 佐野さんの言っていることと基本的に変わらないんだけど、政財界は意図的にそうしてると思うんですよ。彼らに社会が弱くなってるから大変だよと指摘しても、そうだねとは言わない。そうしたくてしてる。
雨宮: フリーター問題で必ず言われますけど、95年、日経連の「新時代の『日本的経営』」で労働形態が①長期蓄積能力活用型、②高度専門能力活用型、③雇用柔軟型、に分けられている。雇用柔軟型なんていつ死んでもいいということじゃないですか。そういう存在に自分が分類されていたというのはものすごい憤りでしたけど、当事者は知らないじゃないですか。
湯浅: それでうまくいっていると政財界が考えているモデルが、アメリカ合衆国なんです。そっちに行きたいからそうしている。彼らにとって極めて合理的な選択なんです。
雨宮: その考えでは、貧乏人は飢えて死んでもいいということですね。
湯浅: いや、死んじゃ困る。フリーターがいなくなったら困る。
今野: 困るんだけど、たくさんいるからいいと思ってる。これからは外国人労働者もいるし。
佐野: 日経連や経営者が故意に仕組んでいるというのは、大きな仕掛けとしてはそうなんだけど、彼らは「おれたちがやったんだ」とは絶対言わない。絶対逃げるよ。
雨宮: じゃあ、そいつをテロればいい!(会場 爆笑)

●メチャクチャな労働現場の対応
雨宮: ここから支援活動をしているお三方に、現場がどうなっているのか、若者たちはどんな状況に追いやられているのか、聞いていきたいと思います。
 湯浅さん、「もやい」は従来、高齢者のホームレスの支援をしていたのが、2003年ころからマンガ喫茶の若い人たち、いわゆる「ネットカフエ難民」の人たちからSOSが入るようになったと聞いてます。
湯浅:初めて相談が来たのは2003年の秋くらいですが、私たちも驚きました。若いから驚いたんじゃない。2000年ぐらいから、路上には若い人が現れ始めていた。20代30代の人に路上の炊き出しや夜回りで会う。2000年代にはもう驚かなかった。ただそれまで、ホームページとは、支援者がボランティアをしたい人に呼びかけるとか、寄付を呼びかけるとか、そういうツールだと思っていたのが、当事者がそれを見て相談の連絡を寄越すことがあるんだと。その人は、マンガ喫茶という現代的な文化の中にいるんだということが、現象として新しかった。
 ネットカフェ問題は、それだけを突出して捉えると間違えると思います。昔、★野宿あるいはホームレスといえば、中高年の男性の単身だった。この構図は崩れ、多様化している。その中にネットカフェで暮らしている若者もいる。例えば最近「もやい」に相談に来た人たちは10代の人もいれば80代の人もいる。男性もいれば女性もいる。単身者もいれば家族持ちもいる。子どもを2人抱えて、しかも1人は生まれたばっかり、それに奥さんと奥さんのお母さんという5人世帯の方が相談に見えたこともあります。父親がホームレスで自分もホームレスになってしまったという、ホームレス第2世代の若者が来たこともあります。社会全体の中で貧困と言われる層が厚みを増してきて、その中で、若者の問題もある。若者の問題は、フリーターの問題とか非正規雇用の問題とか、いろんな問題と絡めやすいんで、社会的にはスポットライトが当てられている面がありますが、彼らだけがワリを食っているわけではない。全体が等しくワリを食っている。
雨宮: 今野さん、「POSSE」の相談事例も豊富にあると思いますが。
今野: 労働相談を受け付けていると、法律違反は深刻ですよね。若い奴だから何してもいいだろうと、だいぶメチャクチャやっているという印象ですね。給料払わなかったり、勝手な天引きをしたりしているんです。あと労災があるのに、ケガさせといて「やー、君の場合申請できないんだよ、ごめんね」みたいな、本当に馬鹿にした態度ですね。完全に違法なんですけど、若い奴相手ならテキトウにごまかせるだろうとやりまくっている。最近★フルキャストという会社で労働組合ができて、今言った天引きなどを是正させたんです。
 すごく画期的な内容です。僕も何とか是正しなくてはと思っていたようなことを、交渉で相手に認めさせたんです。状況としては、法律の問題なんかは端的に相手が悪いんだから、言えることは確実にある。でも社会的な発言の回路を活用し切れてない。回路さえ作っていけば、若者たちが社会に参画して、自分たちでちょっとずつ社会を変えていけるんだという、そういう一端として非常に興昧深かったですね。


●身近な「絆」を失うと、人はホームレスになる
雨宮: では佐野さんにホームレスの実態と、今年(2007年)に入ってからビッグイシューの販売員の募集に20代の若者が来るとはどういうことなのか、等についてお話をお願いします。
佐野: 人はなぜホームレスになるか。ひとつは失業問題ですね。失業して収入がなくなるから、家賃が払えずに家がなくなる。このふたつでホームレスになると思うでしょ。そうじゃない。★3つ目の条件がある。身近な絆を失うんです。若い人なら友達の所に転がり込むとか、家庭をお持ちの人なら奥さんや家族に助けてもらうということがあるんですが、そもそも日雇いで単身だった労働者の人は、家庭も持てなかった人がいる。いろんな形で身近な絆をなくす、ひとりぼっちになる。ある種の希望がなくなる。ホープレスになる。
 日本の中高年の場合は、★社会の変化に弱い人がホームレスになるという説がありまして、我々のところの販売員のおじさんたちと付き合っていると、その通りだなと思います。みんな不器用で、肉体労働やってますから★男性優位主義者で。だから自分か仕事なくなって、奥さんから三行半突きつけられても、いいカッコしてハンコついちゃうわけ。そのとき男が泣けたら、日本のホームレスは3分の1くらいに減ったんじゃないかと思う。だから日本のオジサンのホームレス問題は★男性問題でもある。だからホームレスになっているのは、日本の過去の現場の労働者、建設とか土木とか製造業。古いタイプのサービス業・・・
雨宮: マッチョな人ですか?
佐野: そうですね。そういう価値観を持った人が自己否定しちゃうんですね。
 4年前の調査で日本のホームレスの平均年齢が56歳。我々ビッグイシューの販売員の平均年齢が50歳、ちょっと若めなんです。ところでね、2月の20日過ぎから3月にかけて、ビッグイシューの販売員を募集したところ、12人が登録に来た。そのうちの何と7人が、20代30代なんです。我々の前に、急激に若い人がワッと現れた。非常に極端な例を申し上げますと、33歳で女性で、3人の子持ちの人がいた。
雨宮: 3人の子持ちでホームレスしてたんですか?
佐野: そうなんです。それで役所へ行って生活保護受けるわけですね。で、子どもさんがいるから居宅保護、つまり家賃を生活保護で面倒を見ることになった。だけどあなたは健康なんだから、働きなさいと。でも、3人の子持ちの人はなかなか雇ってくれない。だから細切れのバイトをして、そのひとつとしてビッグイシューを売らせてくれと。我々は基本的には、若い人と女性と病人はお断りしているんです。どなたでも受け入れるのが原則なんだけど、若い人はほかに仕事があるでしょうと、あるときは斡旋したり、病人は病院へおつなぎしたり、女性はだいたいDVで家におれなくなり来たケースが多いですから、行政の窓口にご案内するとかしてきたんです。ビッグイシューは最後のチャンスですから断らないのですがね。でも今や、若くて女性で3人の子持ちという人が「稼がなきゃいけない」と来られる。
   (続く)
 

スポンサーサイト


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→http://2006530.blog69.fc2.com/tb.php/285-da173b4a



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。