カウンター 読書日記 秋山清「性と自由について」。
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秋山清「性と自由について」。
  秋山清著作集 第7巻 自由おんな論争 よりいま少し紹介を続ける。

Ⅱ 自由・権力・性 のうち、前記「夢二と大杉」に続いての一文「性と自由について」で、
初出は、『思想の科学』1971年11月号。
 ***************
 

●性と自由について
 大杉栄が葉山の日蔭の茶屋で恋のもつれから神近市子に刺されたとき、アナキストの無軌道で不道徳な恋愛事件として、いっせいに世間から爪弾きされた。悪魔とさえいった者があるという(大杉と伊藤野枝はこの事件直前同棲し、その後出来た子どもに、悪魔の子だから、という意味で魔子と名づけたといっている)。それまで寄稿していた雑誌から執筆を断わられたりした。革命家、無政府主義者という反逆者としての彼よりも、自由恋愛を実行した彼を、日本社会は恐れたのか、毛ぎらいしたのか、おそらくその双方に依って、ほとんど彼らを葬ろうとするかのごとくであった。村木源次郎が大杉・伊藤の死後すぐ『改造』に、日蔭の茶屋事件後の窮迫した二人の状況を書いたことがあったが、その時、それまでの大杉の同志たちは村木源次郎1人をのこして、彼らを見捨てたようであった。
 
日蔭の茶屋事件は大正5年(1918)の11月であった。といえばその時は大逆事件の幸徳秋水らの処刑から6年後のことである。大杉栄は大正元年に荒畑寒村と『近代思想』を出し、まる2ケ年を経て月刊『平民新聞』を出し、再び『近代思想』の第二期を刊行し、この間にサンジカリズムの研究会をつづけて、ようやく幸徳の直接行動論の実践に近づいた時期であった。その時期において恋愛事件のため大杉は周辺の同志を大方失ってしまったのである。
 山鹿泰治や宮嶋資夫らのような、月刊『平民新節』から第二次『近代思想』に至る間の同志たちも、永い相棒だった荒畑寒村も、大杉の自由恋愛にはついてゆけなかった。
  「われわれの生活や観念を規制している現代社会の、客観的条件を変革することなくしては個人の自由も解放もあり得ない。現状のままの生活環境で恋愛だけ自由である筈がない。」
といったこのときの荒畑寒村の言葉は革命家として切実な批評であった。また道徳家寒村のいつわらぬ心情でもあった。心情的な批評として宮嶋資夫の言動はさらに象徴的ですらあった。
 
大杉が神近に刺されたことをきいた宮嶋は山鹿泰治らと葉山に駈けつけたが、病院の入口で伊藤野枝をとらえて殴打したという。病室にはいって、そこでも「自分の子どもより男の方が可愛いのか」と怒鳴りつけ、また大杉に向かって、「たがが女の恋に溺れて主義主張を葬り去るとは、情ない奴だ」とののしったという。このときの宮嶋の怒りは、大杉の同志達、ひろくは社会主義運動に携わっていた多くの人々の心情であり、大杉批判であったかのようである。
私は宮嶋資夫が出家した昭和5年(1930)以前しばしば逢うことがあったが、大杉にたいする親しみとその死への哀惜をいつも口にしていた。しかし、私は宮嶋は、葉山事件で大杉をののしったあの彼のある潔癖なるもののために、大杉の思想、あるいはアナキズムを美しい社会理想として極あて狭くにしか理解できながったのではないかと疑う。
宮嶋にかぎらず、大杉の自我や主張を、また彼の恋愛と性における自由の考え方を、荒畑寒村もついに理解しなかったのではないだろうか。それを理解しなかった彼らの方がはるかに道徳的な人だったことはたしかである。そしてそこに道徳について考えねばならぬ問題があり、性とその自由について考えるべき問題が逸早く、もっとも具体的にここに提出されたのであったように思う。ただ、このような問題と取組むためには私たちは、もっと大杉栄の生き方、この場合における性とその自由についての考え方を回想してみることが必要であるようだ。

ここに面白い記録がある。・・・(続)
  

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