カウンター 読書日記 <続>岩波「現代文庫」と言えば
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<続>岩波「現代文庫」と言えば
● 「岩波「現代文庫」と言えば、」と題して、9月20日に↓の下に書いた。(*「読書日記」)

 下の9.20の記事文末の秋山の文章を探していたが、最近「ぱる出版」より刊行された、
 ★秋山清著作集・<第七巻・自由おんな論争>に収録されていることが判り、早速当該部分の文章を、
紹介することにする。
 この一文は、最初月刊誌・『展望』の1975年10月号に発表され(*秋山の脱稿は8月17日とある)、
 後1978年に、『夢二とその時代』(第三文明社)に、収録された。・・
 と、この<第七巻・自由おんな論争>の巻末にはあるが、未確認である。
 
****************** 
 
先ず、9月20日の記事の再録から・・・。 
 

★いつか、書こうと思っていたことを、この機会に書いておく。

 『座談会 大正文学史』  柳田泉、勝本清一郎、猪野謙次編 (1965.4.20 岩波書店刊)
という、雑誌『文学』で連載された座談会を一冊にまとめた本がある。
その中の1章・「大正期の社会主義文学」に「近代思想」の文学的周辺という一節がある。 (p511~521)

 そこで、大杉栄の「婦人問題」について語り合われている。
 以下に引用する。 

*なお、発言者は、編集者と平野謙、中野重治、稲垣達郎である。

「・・・前略・・・
猪野: 大杉栄の場合はいろいろと知人の問題がありますね。「青鞜」なども、途中から伊藤野枝が編集の責任者になっていくということもあるし。
勝本: 野枝の演じた役割は、幸徳事件の「管野スガの演じ」た役割と非常に似ていますね。それで管野スガという人が、かりに寒村と結婚した状態がつづけば、有村さんのほうが引き込まれて、ああいう事件における主役にったかも知れない……。(笑)
 中野: しかし、あれはどうしてそういうことになったのだろうか。あるいはどうしていまの勝本説が出て、それが
究極的にどうであるにしろ、いちおうみんなうなずくようになったんだろう。僕は伊藤野枝などという人は非常にお
もしろい人のように思う。管野スガのことはよく知らんけれども。伊藤野枝などは非常に激しいけれども、激しいだ
けではなくて、実際的な面もあった人じゃないかしら。
 勝本:  菅野スガの獄中書面が森鴎外旧蔵の写本「獄中消息」のなかに残っていまして、文章も情理もととのった立派なものですが、ヒステリj性格だったらしいことはいろいろ伝わっています。また大杉栄は「世話女房」という文章を書いているが、あれは野枝さんのことかしら。荷風の話ではないが、料理のうまい、世話女房タイプの女というのをえがいていますね。
中野: 家庭的な斜面もさることながら、つまり、あれがだれと結婚するにしろ、みんながもら少し実際に、自分たちの個人生活も連動も、いろいろにしてやりくりつけてでも、グッとやっていこうという腹があれば伊藤野枝というような人は、激しいものがありながら、それを逆のほうに巻き込むというようなタイプではないのだ。ああいうことは、お互いにだんだんあっちへいってしまったという感じではないですかね。

勝本: 大杉栄が結婚の条件として出している条件は、ずいぶん自分勝手なもので、つまりお互に、全部、生活的にも、経済的にも独立していくこと、それから、ほかの女といかに関係してもかまわない自由をもつということだとか、そういうことで、やはり女性側の人間性というものについての思いやりというか、それはぜんぜんない。非常に男性中心の自由論なんですね。それから女の人もその当時、青鞜派なんかの議論をみていくと、男女同権という観念が単純で浅くて、それも女性としての生理的条件を、全部無視している議論なんですね。
>
猪野: 「近代思想」のときは妻君の堀保子という人が・・・。
勝本:  編集していたわけですね。
猪野:  やはり広告取りとかそういうところでもいろいろやっていたわけですね。
勝本:  大杉自身も広告取りをやったのですね。
平野:  宮島資夫の「遍歴」のなかに、大杉栄の女性問題に対する批判が書きこんであるが、かなりはっきり書いている。しかし、大杉栄はよく知らないけれども、ずいぶん男性的というか人間的魅力があった人なんですね。
勝本:  文章もいい文章ですね。フランス語系の明晰さがあり、すかっとして線の太い、いい文章ですよ。
猪野:  大杉栄について書いた文章は、内田魯庵の追憶でも、佐藤春夫のでもおもしろいですね。やはり、あれは当人が魅力がある人物だったのだろうとしか思えないですね。
稲垣:  近代文学会の例会で、いつか「青鞜」の方に集まっていただいたことがあります。そのとき小林さんが、大杉はヘビのような目でじっと見るということでした。小林さんは、あまり立派な人ではなかったのではないか、と
いう説でした。
勝本:  だけれども、やはりその後のプロレタリア運動の分野で、やはり欠けていたある面をもっていたようですね。どうも中野さんを前にして悪いが。
中野:  君は、そういうことをよく言うのだ。(笑)
猪野:  ああやって傍若犯人に五カ国語で「どもる」というような形で行動すれば、だれでもかなり魅力的にみえてくるし、そういうところで得している点もあるかもしれませんね。(笑)
平野:  話はとびますが、辻潤とか、武林無想庵とかいう人はあの時分は「近代思想」との関係はどういうふうに位置づけたらいいですか。伊藤野枝と辻潤とは関係が深いわけですね。辻はわりに「近代思想]とも近かったわけでしょう。
猪野:  そうですね。しかし野枝さんの「転機」という小説など読んで、彼女が辻から大杉のところに移る道程には、その二人の思想上のちがいということが意外にはっきりとしていると思いましたね。
勝本:  これは幸徳以来の直接行動主義の誤解で、結局、大正期のアナーキストの連中だって、実に妙なものになっていったのです。金はゆするし、もらいにくるしといったような、妙なタイプになった。
平野:  しかし、通俗モラルなどを踏みにじることを建前として、何をやってもかまわないのだというところがあったのではないですか。
勝本:  ただ、それも個人的な自堕落な生活に結びついてくる。そして自分の身を亡ぼすことになる。これがマルクス主義の陣営にも伝染してきて、早い話が、昭加期になって「無産者新聞」の末端にいた連中などでも金がなくなると、どれ集金してこようかといって、文学者のところで金をねだり、しかも自分のふところに皆人れちゃうわけです。金を出したほうでは、自分の名前が出ては困るので、文句はいえない。受け取りの名前を新聞に出しておきますよ、などといっておいて新聞には「鈴木なんとか金十円」と出す。かりに十人から百円集めてもそれを共通の一人の鈴木なんとかの名前にしてしまって、九十円は自分のふところに入れてしまうんです。アナーキスト連中のやったことの悪い遺風が、ずいぶん後まであったように思うが、やった人自身から僕ら直接に話を聞いていますがね。
猪野:  もうひとつだけ大杉について言うと、「近代思想」なんかも、軍人であった親父の扶助料を幾らかあてにして発刊したということもいってるし、ご本人は幼年学校出身で、フランス語もそこからとってきたようなものだし、それで殺されるのも憲兵に殺された。というわけで日本の軍隊との妙な関係がありますね。それは本人もやはり意識していた面があったでしょうかね。
中野:  どうかな、それは。意識したことがないとは思わないけれども、大きなファクターではないのではないかな。軍隊宣伝なんてことを、あの人たちもやったことはあると思うけれども、その関係からということはないでしよっ。それから「白樺」の評価かあるのだが、「白樺派」の人たちでも、実際に文学者としての挙措、それから思想のうえで結びついた関係がいちばんあるのは有島武郎ではないかしら。大杉だけではなくて、「近代思想」の人々、その他の人々がいいころ加減な気持で言ったことでも、白樺派のなかでは、有島がまじめに受け取って、自分のなかであれこれところがしていったということはないですか。
平野:  有島武郎が本気になって文学者になろうと思ったのは、奥さんが死んで、お父さんが死んで、つまり大正五年以後のことですから、「近代思想」は既に廃刊になっている。つまり、有島武郎ん接した社会主義者のひとたちは、「近代思想」より少し後ではないですか。
・・・以下略・・・・ 

 
 ●勝本清一郎の発言(↑上の青い色の部分)に対して、秋山清は『展望』誌(筑摩書房)1975年10月号に発表した文章で追究した。 (続)
 *******************


 *紹介する『展望』の一文は、やや長いので、別稿とします。
 長文というより、その因は本人の不摂生による体調不良にあるが・・・(笑い)・・・

   
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