カウンター 読書日記 嗚呼 甘粕大尉の唄
読書日記
日々の読書記録と雑感
プロフィール

ひろもと

Author:ひろもと

私の率直な読書感想とデータです。
批判大歓迎です!
☞★競馬予想
GⅠを主に予想していますが、
ただ今開店休業中です。
  



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


嗚呼 甘粕大尉の唄
★閑話休題
突然だが、次のような唄を御存知だろうか。題して、<嗚呼 甘粕大尉の唄>。
奇跡の名著『南天堂』 (寺島珠雄 1999.9.16 皓星社)に記されている。
 前後の文章と共に、紹介しておこう。 P141~143による。
*******************
 

・・・中略・・・
大震災翌年七月に大阪の明文館書店が発行した歌本がある。元の所侍者が表紙に千代紙を貼りかぶせ、奥付に記載なしで書名不詳、文庫判程の本で三頁余。「安来節」「籠の鳥」から端唄、長唄まで何でもありの中に「噫々行粕大尉の唄」というのが西岡頁理生作歌で収録されている。「ハ調2/4」という略譜付きで一節の歌詞は四行、それが十二節半ばまであって以下落丁で不明というものだ。減刑嘆願が多かったという甘粕への世情の反映か。
 書店販売の本になる以前、甘柏公判の進行中に演歌師が街頭で流したものだろう。添田唖蝉坊の『唖蝉坊流生記』(82年刀水書房)にもこの歌の収録はないから略譜と歌詞を紹介しよう。ただし歌詞は頁の欠落で中途半端に切れ、甘柏に同情の主旨まで及ばない。

●大杉栄殺し
★嗚呼 甘粕大尉の唄 西岡真理生作歌

① 淋しき秋の草叢に 嶋く虫の音も身にぞ沁む 九月半ばの事なりき 世に恐ろしき殺人の
② 罪を犯せし其のひとは 陸軍大尉正七位 姓は甘粕正彦と 呼ばれて猛き丈夫が
③ 国を憂ふる誠心に 家をも身をも打ち捨て 社会主義者の巨頭と 世の人々に知られたる
④ 大杉栄を初めとし それに連る同志等を 殺害なして国の為め 根を絶ち葉をば枯らさんと
⑤ 大尉は深く覚悟して 己のが部下なる曹長の 森慶二郎と語らひて 密に時を待ち受けぬ
⑥ かかる手段のあらんとは 知る由もなき大杉は 妻の野枝子と諸共に 甥の宗一伴ひて
⑦ 鶴見を後に柏木の 家路に帰る道すがら 言葉巧みに誘ひて憲兵隊に連れ来る
⑧ 折しも秋の夜は更けて 鐘も無情を告ぐる頃 曾つて用意の大尉には 今は時こそ来れりと
⑨ 不意に襲ひて大杉を 絞殺なして次の間に 夫の身をば気支へる 野枝子も共に殺害す
⑩ ここに憐れや宗一は 共に果てなん運命とは 知る由しもなく無心にも 窓よりもるる星影を
⑪ 数へながらに居たりしを 情冷たき荒男 罪科もなき幼子を 無惨や其の場に倒しけり
⑫ 三つの屍は古井戸の 中より出でて恐ろしき (以下頁の欠落で不明)

 この歌が甘粕への同情と支持を訴える意図で作られたことは「噫々甘粕大尉の唄」というタイトルに明らかだが、さすがに幼い橘宗一には「無惨や」と書いている。欠落した部分ではどのように甘粕擁護へ転調させて行ったのか。欠落はもともとの落丁でなく古本に出てからのこととわかるので実に惜しい。
 なお甘柏の減刑嘆願は弁護士提出で五万人のほか街頭で六十五万人が署名したという。
 余談挿入。抜き写しをした歌本の発行者を湯川松次郎という。この人は昭和18(1943)年に小野十三郎詩集『風景詩抄』を発行した湯川弘文社を、昭和22(1947)年に同じく小野詩集『大海辺』を発行した弘文社を経営した。昭和大戦のさなかと戦後とに、ともに重要な小野詩集の発行者になった人が<大正>には通俗駄本を出していたということ。

 


スポンサーサイト


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→http://2006530.blog69.fc2.com/tb.php/253-54235a9d



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。