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『知られざる真実』を読み込む。
  27) 濫用される権力

 第五の問題は権力の濫用だ。米国の大統領制度と日本の議院内閣制度。一般には大統領の権限が内閣総理大臣よりも強大だと思われがちだ。米国大統領は選挙で選ばれる行政の最高地位だ。大統領の権限は強大だ。大統領のスタッフは大統領交代と同時に入れ替わる。政治任用(ポリティカル・アポインター)と言う。
 米国では大統領府から独立して議会が設置されている。議員は選挙を通じて国民に選出される。大統領は議会決定に拒否権を待つが、上・下両院が三分の二以上の多数で再可決すれば議会決定が効力を発揮する。閣僚や最高裁判事の承認権は上院が握っている。議会は大統領を罷免する権限を有する。大統領の弾劾は下院が訴追し上院が審判する。
 米国の大統領制では行政府の大統領府と立法府の議会が相互に牽制する。権力の抑制、チェック・アンド・ハランスが重視されている。
 日本の「議院内閣制度」は間接民主主義制度だ。国民は選挙で議員を選ぶ。大衆動員型で情緒的な政治に陥りやすい直接民主主義の弊害を除去することが議会制民主主義の本来の目的だ。職業専門家である政治家を国民が選出し、政治家が専門的な論議を深め、少数意見を尊重しながら討論と説得を通じて政治決定を行う。これが議会制民主主義のメリットだ。
 大統領制と異なるのは「議院内閣制」が権力を「抑制」でなく「創出」する点だ。内閣総理大臣は議会の選挙で選ばれる。通常は議会多数政党の党首が就任する。総理大臣は行政の最高地位だ。「議院内閣制」では議会(立法府)と内閣(行政府)とが表裏一体をなす。首相が議会多数派の代表だからだ。だが、首相が権力を濫用すると独裁制に陥るリスクがある。
 首相が権力を濫用すれば与党内部から反発が生じる。党首は「話し合い」によって問題を解決すべきだ。党首が絶対権力を振り回して反論を認めないなら民主主義は崩壊する。民主主義を基礎に置かない政党も存在はするが望ましくない。
 小泉首相は独裁的な行動を強めた。小泉首相は反論を排除するために三つの手法を活用した。イエスマン登用、敵対勢力分断、大衆扇動だ。イエスマン登用と敵対勢力分断に人事権をフル活用した。大衆扇動のためにメディア・コントロールを強めた。小泉首相の示す「改革」は意味や内容が不明確だった。それにもかかわらず自民党議員を「改革派」と「抵抗勢力」に色分けした。国民はメディアが演出するデマゴギーに従ってしまう。スターリンやヒットラーも民衆扇動家で国民の熱狂的支持を創出して恐怖の独裁政治に突き進んだが、小泉首相にも共通点があったと言える。
 カール・シユミット氏は「「敵か味方か」の政治は分かり易いけれども、議台制民主主義は機能不全に陥ってしまう」と述べる。佐伯啓思氏は「小泉首相は大統領型の人気主義という爆薬を、議院内閣制という間接民主主義の制度の中に埋め込んだ」(『表現者』、2006年11月号、既出)と述べた。
 米国は直接的選挙で大統領を進出する制度を採用している。デマゴギーを多用する民衆煽動家が大統領に就任するリスクがないか気になる。だが、米国は権力の暴走を防ぐさまざまな仕組みを制度に埋め込んでいる。大統領府と議会の相互牽制もそのひとつだ。
 米国の大統領選出は曰本の知事選挙の方式で実施されていない。共和党と民主党が予備選挙で大統領候補者を選出する。そのうえで大統領選挙が実施される。細かく言うと国民が選出するのは各州の選挙人だ。州ごとの勝敗で各州選挙人を候補者が総取りする。全米で多数の選挙人を獲得した候補者が大統領に就任する。
 2000年の大統領選ではフロリダ州の勝敗が鍵を握り、開票やり直しが話題になった。ブッシュ現大統領が選出されたが民主党のアル・ゴア住補の全米得票数はブッシュ氏を上回った。米国に在住した1996年に大統領選挙があった。現職クリントン氏と共和党ボブ・ドール氏との戦いだった。
大統領候補者のテレビ討論を見た。投票決定に最も影響を与えると言われるのがテレビ討論だ。スタジオには無作為抽出された有権者が招かれる。各有権者は質問をひとつ用意する。司会者が無作為に質問者を指名する。候補者はスタジオ中央で質問への見解を述べる
時間は秒単位で管理される。候補者は手元質料を許されない。すべてを自己の能力で対応しなければならない。真剣勝負だ。テレビ討論、が決め手になることが多い。厳格なルールと厳格な運営で実施されるテレビ討論は候補者のすべてを有権者にさらけ出す。知力、判断力、話術、機転、人格のすべてが試される。凡人や変人、が大統領に就在することはないと思う。


 28) 蔑視されていた国民

 小泉政権の高支持率はデマゴギーとメディアの偏向報道によって生み出された。小泉首相は利用可能な権力を全て使用して独裁的に政治を運営した。小泉首相が人事権をふりかざしたため、損得を重視する人は権力に擦り寄った。多くの国民は操作された情報に誘導されて小泉政権を支持した。
 2005年6月21日の衆議院「郵政民営化に関する特別委員会」で民主党の五十嵐文彦議員が質問に立った。郵政民営化についての1億5000万円規模の政府広報業務が★「有限会社スリード」という竹中郵政担当相の秘書官が関係していると見られる業者に競争入札でなく★随意契約で発注されたことが問いただされた。
 政府広報は「郵政民営化ってそうだったんだ通信」と題する新聞折り込みチラシの製作と配布だった。チラシは2005年2月20日に大都市圈を除く、全国の約1500万世帯に配布された。政府広報業務は本来、競争入札に付されなければならない。だが、契約は「随意契約」で、「随意契約」になった経緯が不自然だった。
 2005年6月23日に民主党の中村哲治議員が重要な事実を指摘した。有限会社スリードが2004年12月15日に提示したとされる「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案))」が示された。ここにはグラフが記載されていた。タテ軸がIQ (知能指数)、横軸が構造改革への肯定、否定かの度合いを示した。下半分のIQの低いゾーンが四角で囲まれ、「小泉政権支持層=B層と記載された。内容は「主婦層と子供を中心、シルバー層」で「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣閣僚を支持する層」と説明された。
 資料下部に大きな文字で「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要と考える」と総括されていた。この企画に基づきB4サイズ、二つ折り4ページ・フルカラーの「郵政民営化ってそうだったんだ通信」という祈り込みチラシが1500万世帯に配布された。
チラシの1面には竹中氏とテリー伊藤氏の全身写真が掲載され、
テリー氏:「竹中さん、郵政民営化って僕にもよくわからんのよ。ちゃんと説明してよ。」
竹中氏:「よろこんで’・(笑)郵政民営化って、わたしたちの町と暮らしを元気にする、そのためのもの
L、テリー氏:「え!‥ それ、おもしろそう、もっと詳しく聞きたいな。」
の会話が記載された。
 2005年9月11日実施の総選挙が「郵政民営化賛成か反対かを問う選挙」と位置づけられたことを考えると、折り込みチラシは自民党の選挙運動の意味を兼ねたことになる。民主党、が委員会に提出したスリード社と竹中氏秘書官とのやり取りを示すとした文書によると、対談者の第一候補をテリー伊藤氏としたのは大臣の意向だった。
 国民をIQで分類し、政権支持層をIQの低い層と認識し、IQの低い層にターゲットを絞ったPR戦略、が実行されたことになる。メディアが問題を真剣に取り胤げたなら政権は吹き飛んだはずだ。だが、メディアは国民を侮蔑した世論操作に血道をあげる小泉政権を糾弾しなかった。




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