カウンター 読書日記 落合論文・ 陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(9) 
読書日記
日々の読書記録と雑感
プロフィール

ひろもと

Author:ひろもと

私の率直な読書感想とデータです。
批判大歓迎です!
☞★競馬予想
GⅠを主に予想していますが、
ただ今開店休業中です。
  



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


落合論文・ 陸軍の裏側を見た吉薗周蔵の手記(9) 
● ワンワールドからの「発信」がうかがえる 

近年、在外不動産投資家を称する加治なる人物が文筆界に現れた。まず著書・『石の扉』によってフリーメーソンの実態を、外観的だが具体的に説明した。従来フリー・メーソン陰謀説を唱えた類書がすべて主観的論評に終始するのとは大違いで、世士に注目を浴びた。次いで著した『操られた龍馬』では坂本龍馬と秘密結社との関係を論じ、さらに最近出した『幕末維新の暗号』は小説仕立てながら、明治維新をフリーメーソンが指導したと主張した。一連の著作に当たり加治は、海外のフリーメーソン・ロッジで直接取材し、そこで得た生の情報を用いている。これが従来の類書になかった最大の特徴である。
 本誌七月号本稿で、私は「加治が『幕末維新の暗号』でフルベッキ写真を持ち出して、佐賀藩士説に対する反論を提起したことに意義がある」と論じた。
理由の第一は、その少し前に「フルベッキ写真を客観的に分析した学者が、志士写真を否認する結論を出した」と聞いていたからである。かつて半信半疑というより、七信三疑でこの写真を眺めていた私は、志士否認の結論が出たと仄聞してがっかりし、以後関心を失っていた。そこへ、新たにこの写真を持ち出してきた加治に、強い自信と黒幕の存在を覚った。さらに、従来陸奥宗光とされてきた写真右端の人物を、加治が伊藤博文と指摘し、また中央の西郷隆盛とされてきた大男の着する黒服を、薩摩藩の軍服と説明した
ので、年来の疑問が部分的だが氷解し、改めてこの写真を思い起こしたからである。しかしこれは付けたりで、第一の理由が支配的である。
 フリーメーソンから説き起こし、次いで坂本龍馬をメーソンの関係を論じた加治が、転じてフルベッキ写真を持ち出しだのは、平凡な作家の売文根性とは思えない。明治維新の真相を信頼できる筋から教えられ、史実を裏から把握した強い自信に基づく著作活動と見た方がよい。その証拠に加治は、「吉井友実こそメーソンと結託した恐ろしいほどの大物」と断定しながら、全く論証していない。七月号本で述べたように、吉井の経歴を調べるだけでも論証は大凡できる。にも関わらず、加治の論証なぞ問題にしない態度は、既に真相を知ったからその必要性を感じないものと思われる。また、第三作を小説仕立てにしたのは、ドキュメンタリー風に証拠を並べることを、情報元から禁じられたからではないか。
 フルベッキ写真が志士写真であったとしても、その価値は、明治維新と秘密結社を結ぶ物証だからではない。そんなこと識者の間では既に明らかである。この写真の真価は、中央下部に長刀を抱いて斜に座し、深重の眼差しを遠方に投げる一少年の存在に尽きる。被写体に維新志士をそれぞれ当て嵌めて行くと、少年に該当する志士は大室寅之佑しかいない。反対に、もしこれが一般藩士の写真と結論されれば、少年が大室である可能性はないから、写真なぞ最早どうでも良い。志士否認の結論を聞いただけで私の関心が失せた所以である。しかし加治が、志士否認論が出たばかりの折からの逆風を衝いて、わざわざこれ持ち出してきたのは、迂闊だからではあるまい。大室問題を浮上させるための露払いではないか。そう思いつつ一連の作品を見るに、近代史の真相に迫れぬ本邦史学の空転を憐れみ、あるいは危ぶんで、ワンワールド側から問題を提起してきたフシがある。この種の活動を諜者の世界では「発信」と呼ぶらしい。『周蔵手記』においても、「芥川龍之介ハ海軍ノ発信」という風に用いている。
   (続)
 
スポンサーサイト


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→http://2006530.blog69.fc2.com/tb.php/228-2b8e5cc2



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。