カウンター 読書日記 『江戸王権のコスモロジー』・<御真影>
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『江戸王権のコスモロジー』・<御真影>
 
(新しい御真影が作られた翌年明治二十二年に大日本帝国憲法が発布されて、天皇は「神聖な王」となった。
御神影は下賜の申出があった学校のうちから優秀な学校へ下賜されることとなった。)

 「聖恩」に浴した学校は、拝戴式または奉戴式が挙行された。
 明治二十三年(一八九〇)九月十三日に兵庫県の豊岡小学校の「天皇皇后両陛下御真影拝戴式」は次のようにおこなわれた。
 校長が御真影を拝受して郡役所から出てくると、祝砲一発を合図に、整列して待っていた生徒達が「君が代」を斉唱。校長は御真影を奉持して自動車に乗り、高等三年と四年の生徒五〇名が銃を執って左右前後を護衛し、他の生徒たちは後につき、途中ラッパを吹いて歩調をととのえて進む。御真影が校門に着くと再び祝砲を放つ。校長は御真影を奉持して進み、運動場に設けられた玉座に御真影を奉安した。生徒たちは順次整列し、各役所官吏、各町村長、町会議員、近傍の小学校教員、市街の有志などが所定の席に着き、御真影に向かって総拝礼をおこない、生徒一同が君が代を斉唱し、郡長の諭告、校長の答辞、高等生徒唱歌「皇御国」を奉し、全員が順次に尊影数歩の前に進んで、拝礼し退場。式が終わると「天皇陛下万歳」と大書きした軽気球が上げられ、その後、運動会が開催された……。
 
こうして御真影拝戴式は、学校行事を越えて生徒、父兄、地域行政をもまきこんだ一大イベントであり、天皇制国家の忠君愛国思想を教育する祝祭儀礼であった。山本信良と今野敏彦は、御真影拝戴式をはじめ祝祭日儀式が、校長を神官とし、伝統的なマツリの形態をとり入れながら、あたかも自然の経緯のごとく官制のマツリをおこなわせ、「天皇制マツリ」に拡大して思想教育に成功した、と指摘している。

 明治二十三年、「教育に開する勅語」すなわち「教育勅語」が発布され、御真影は特別な意味をもつことになった。
 教育勅語は、大日本帝国憲法と連動して、山県有朋、芳川顕正を中心に元田永孚、井上教、中村正直らによってまとめられた。その内容は、天皇に対する臣民の忠誠による国体観念の教育を説くもので、守るべき忠孝の徳目を列記している。教育勅語は、大臣の副署を伴わない★天皇直裁による勅語という形式をとったため、すべての法令を超えた絶対的性格をもった。文部省は勅語の謄本を全国約三万の官公私立の学校に迅速に下付していった。

大正天皇の御真影から形式が定まり、より象徴性が高くなった。明治天皇の御真影は天皇が座像で皇后が立像で向きも一定していない。しかし大正天皇の御真影は、天皇は向かって左、皇后が右で、共に八分身像の立像となり、昭和天皇・皇后の御真影もこの構図にならっている。
 大正時代には、御真影の管理は一段と厳しいものになった。その一つが御真影を守るための教職員の★宿直制度である。埼玉県では、大正元年(一九一二)に「訓令第二六号」で、「御真影ヲ奉置シタル学校ニ在リテハ職員宿直ヲ為スヘシ……」と定め、大正六年には、知事名で各郡長に宛てて、「御影奉護方二関シテハ規程ノ定ムル所ニョリ常二周密ナル注意ヲ以テ夫々監督ヲ怠ラサルヘシト雖近時往々ニシテ宿直ノ励行セラレサルモノアルヲ耳ニスルハ甚夕遺憾トスル所ニシテ万一不慮ノ変事アルニ至ラハ侮ユトモ及ハサルニ至ルベキ」と、御真影を守るために宿直の徹底を強く命じる内訓が発せられた。
 こうして大正時代には、全国的に宿直制度が実施されるようになったが、宿直制度は、深夜一人で学校に泊まりこんで、御真影を守るという行為のために、教職員に与える精神的影響にははかりしれないものがあった。御真影は単なる写真ではなく、現人神の天皇そのものとして、全国の教職員に実感させることになった。そこで起こったのが御真影を守るための教師の殉職である。

 大正十年(一九二三) 一月六日、長野県埴科郡の南条尋常高等小学校が火事になり、校長の中島仲重は、焼えさかる猛火の中を校舎の中にとびこみ、二階の御真影奉安所の近くで焼死した。発見された遺体は全
すでに御真影は、殉死の美談を生みだすほど、国民への呪縛力は肥大化していたのである。
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