カウンター 読書日記 原爆投下について(4)
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原爆投下について(4)
  「密約」はどうなるのか? 丁々発止の駆け引きが頂点に到る。

 「元気に誕生した!」赤ん坊=原爆をめぐる闘争。

 そして何よりも「ヒロシマ、ナガサキ」は、別のどこか(ここもそこも)であったかも

 知れないのだ、ということを銘記しておきたい。何度でも繰り返し。


  ●トルーマン、スターリンに「新兵器」について語る

 七月二十四日、第八回のポツダム会談は七時三十分に休憩にはいった。参加者が立ち上がって円卓から離れて雑談をしようとしているとき、トルーマンは通訳を連れずにスターリンに近づいて、急に思いついたように「われわれは尋常ならざる破壊力を有する新兵器を持っている」と話しかけた。スターリンはいかなる興味も示さなかった。少なくとも大統領にはそのように思えた。トルーマンは「彼はただ、これを聞いて喜んでいる、これを日本人にたいして『有効に』使うことを望むと言ったのみであった」と回想録に記している。スクーリンのこの無頓着とも思える回答によってトルーマンばかりではなく、この応答を目撃しただれもが、スターリンはトルーマンがもらした情報の重大さに気がついていないと思ったのである。
 しかし、スターリンは騙されなかった。六月二日、ソ連のスパイであるハリー・ゴールドは、マンハッタン計画に参加している物理学者でやはりソ連のスパイ、クラウス・フュークスを短いドライブに誘った。フュークスは近いうちに原爆の実験があることを車の中で告げた。六月の半ばにNKVD(内務人民委員会)のスパイであるレオュード・クヅァシコフが上司に、アメリカの原爆実験が七月十日に行われると報告した(実際には七月四日に予定されていたが、たまたま雷雨のため十六日まで延長された)。この情報はベリヤからスターリンに伝えられた。したがって、トルーマンが「尋常ならざる破壊力を有する新兵器」に言及したとき、ただちにこれが原爆であることを理解したのである。
 この日のポツダム会談が終わって宿舎に帰ったスターリンは、ただちにベリヤを電話で呼び出して、何か実験についての情報があるかと質問した。
 ベリヤは、「同志スターリン、前にも報告したように、二週間前に実験が行われる予定でした。しかし今のところ巨大な爆発に関する情報は受けとっていません」と回答した。
 スターリンはベリヤの無知を糾弾し、激しく罵倒した。そして、原爆実験の爆発はすでに一週間前に起こったこと、ベリヤが「偽情報に惑わされた」ことを述べ、NKVDの怠慢はトルーマンを交渉の場で強い立場に立たせ、ソ連代表に楯突くことを許してしまったと非難した。
 グロムイコによると、スターリンは宿舎に帰ると、アメリカが原爆の独占によってヨーロッパにおけるアメリカの計画をソ連に押しつけようとするであろうと予想し、「しかし、そのようにはさせないぞ」と言って、「腐臭のするような言葉で」罵った。そしてスターリンはソ連の原爆開発を早めることを心に誓った。

 スターリンにとってもっとも重要な発見は、トルーマンが原爆に関して情報を隠してレることであった。スターリンは、東郷電報のような機密情報をトルーマンに明かしているのに、相手のトルーマンは原爆について隠しごとをしている。もちろん、スターリンがアメリカにソ連のスパイを忍ばせて原爆の秘密を探ろうとしていることについては、バランスシートには入っていなかった。スターリンはフェアであることには無頓着であった。彼は、アメリカがソ連を騙して日本の降伏を単独で勝ちとるのではないかという鋳疑心に駆られたのである。
 トルーマンが「尋常ならざる破壊力を有する新兵器」についてスターリンに語った数時間前に、英米合同参謀本部はソ連の参謀本部との初めての会議を開いた。レーヒーはアントーノフに、日本にたいするソ連の作戦計画を聞きただした。アントーノフは、ソ連軍は八月の下旬に作戦を開始する予定であるが、実際の日時は中国との交渉の結果によると答えた。明らかにアントーノフは、連合国がソ連の参戦を必要としているという仮定のもとに交渉に臨んだに違いない。そのため、アントーノフは、スターリンが十七日のトルーマンとの会談でしたように、中国にたいしてソ連との条約を締結するようにと連合国、が圧力をかけることを期待したのであろう。しかし、トルーマンが原爆に関する生半可な情報をスターリンに与えた後に、何かがソ連指導部に起こったに違いない。七月二十五日に佐藤大使から書面で、近衛特使派遣による日本の正式の斡旋依頼を受けとったロゾフスキーは、従来通り具体的な条件を要求することによる時間稼ぎの戦術を採用するよう上申した。だがモロトフはこれを拒否して、ロゾフスキーの電報の余白に「不要」と書き込んだ。日本を欺くときは終わったと。ソ連は、日本にたいする戦争の準備に全力を汪がねばならなかった。またそれは、アメリカの原爆との競争でもあった。

 ●トルーマン、ポツダム宣言を発表

 スターリンは、ポツダム宣言への署名を請われることを自明のことと思い込んでいた。もし日本にたいする最後通牒がアメリカ、イギリス、中国、ソ連の共同宣言として発表されるならば、それは中立条約を無効にするのを正当化させる。また、戦争の準備が完了した時にこの共同宣言が発表されればヽそれは、ソ連の宣戦布告ともなりうる。日本がソ連の斡旋にすべての望みをつないでいたことから考えれば、この宣戦布告は日本に衝撃を与え、降伏へと導くであろう。しかし、スターリンにとっては、ただちに戦争が終わってはまずかった。戦争は少なくともスターリンがヤルタで約束された代償を物理的に手に入れるまで続けられなければならなかった。そのためには、スターリンがポツダム宣言の立案に参加することが必要であった。またそれは、ホプキンスが五月にスターリンに約束したことでもあった。
 しかし、原爆は状況を一変させた。最初は、アメリカの政策決定者にとってポツダム宣言は、アメリカ軍による本土上陸の前に日本の降伏を呼びかける最後通牒として考えられた。しかし、原爆二発が実戦に使用可能になったとき、宣言は新しい意味を帯びた。日本に降伏を呼びかける最後通牒という性格よりも、降伏しなければ、「速やかにして徹底的な破壊」をもたらすことを日本に宣言することによって、原爆の投下を正当化するためのアリバイという性格に変わったのである。さらに、原爆保有によって、アメリカはもはやソ連の助力を必要としなくなった。むしろ、ソ連が参戦する前に、原爆の使用によって日本の降伏を勝ちとることが必要であった。したがって、この宣言からソ連を除外することがトルーマンの主要な目的となった。
 七月二十四日、トルーマンとバーンズはポツダム宣言の最終案を承認した。バーンズによれば、スティムソン草案がバーンズに手渡された。そして、原爆のニュースが入ったとき、バーンズはこの草案を修正した。バーンズはこの修正にあたり、チャーチルとトルーマンの修正案を考慮したという。

 一つ確かなことは、トルーマンとバーンズは、統合参謀本部の第十二条に関する修正案をさらに修正したことである。統合参謀本部の草案の第十二条は、
 「われわれの目的が達成され、平和的傾向を有し、また日本国民を代表する責任ある政府が疑いもなく樹立され次第、連合国の占領軍は日本から撤退する。更なる侵略にたいする適当な保障に従って、日本の国民は自らの政府の形態を自由に選ぶことができる」
 となっていたが、トルーマンとバーンズは、ここから、「更なる侵略にたいする適当な保障に従って、日本の国民は自らの政府の形態を自由に選ぶことができる」という文章を削除した。
 原文は「日本国民によって自由に選ばれる」が「政府」を修飾する句として付けくわえられたにせよ、いっそう日本にとっては苛酷な表現になっており、天皇の地位についてはより不鮮明になった。しかし、イギリス政府は、宣言を直接日本国民に訴えるのではなく、日本政府に宛てること、さらに連合国の占領を直接占領から間接占領に変えることを提案した。イギリスの承認を取り付けるために、バーンズはイギリス修正案を採択しなければならなかった。しかしイギリス政府は君主制の維持は主張しなかった。トルーマンとバーンズの強い反対にあって、チャーチルと外相イーデンは無条件降伏を修正することをあきらめたのである。
 スティムソンは、それでも、ポツダム宣言のの内容を改めようと最後の努力を行った。二十一日の東郷電のマジックによる解読がスティムソンに影響を与えたのかもしれない。トルーマンに受け入れやすくしようと配慮したのであろうか、それともこれを本気で信じていたのかは不明であるが、・・・
 

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