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続・『匂いのエロティシズム』・2
   第一章からランダムに引用していく。
 

  第一章 媚薬と香り
   官能の香り
 

   「・・香りにはセクシーなものとそうでないものがある。たとえば爽やかなレモンやオレンジといった柑橘系の香りがセクシーであり得ないことは、誰の目にも、いや誰の鼻にもあきらかである。
 面白いのは、爽やかさとか清潔感といった言葉に適した香りを選ばせると、民族や文化、あるいは世代の違いによってかなりばらつきが見られるのに、性的な魅力に結びつく匂いととなるとかなりの普遍性が見られるということだ。」(p28)

  (ここで著者のいう「普遍性」は、「根源性」ということだろう。それは、「色=カラー」についてもいえるらしい。「色」の認識・識別にもほぼ世界中の民族共通の「順序」というものがあるという。)
  
 「・・セクシーな香り、性的な魅力をいや増す匂いの代表はムスクであり、あるいはアンバー、シベットといった、いずれにせよ動物に由来する匂い(「アニマルノート」)である。これらの香料は生の原料を嗅ぐと強烈なにおいだが、薄められ他の香りと混ざり合うことで妖艶な香りとなって、香水の歴史を彩ってきた。・・・」

 こうして、著者は香料の起源としての「媚薬」に興味を持ちはじめる。
 「・・そもそも媚薬とはどんなものかが気になりだしたのである。・・・
 媚薬というと、どうしても淫靡というか、こっそり使うようなイメージがつきまとうが媚薬の歴史を見てみると、どうして、そんなケチなものではない。
 もともと多くの古代文明でセックスの快楽は恥ずべきことでも隠すべきことでもなく、むしろその快楽をとことんまで突き詰めていくことは神聖な行為だったのである。
 ・・セックスは神との合一の体験であったり、精神と肉体の融合という点で極めて象徴性の高い非日常的営みであった。」
 「そうした性愛観の典型は古代ヒンドゥー文化で、(交合の彫刻は有名)」さまざまな体位での交合やフェラチオをする様子が残されている。


 「男女の交合」は世界を創造した「神々の行為の再現」として、神聖視され、「セックスを
 完璧に行えば行うほど神に近づくことにもなったのである。」 


 このような性愛観の中では<エクスタシー=神との合一>へ至る手法が「研究」されるのは当然の成り行きだろう。
 「・・事実ヒンドゥー文化には多くの媚薬を用いてきた伝統がある。」 
 
このような性愛観の中では<エクスタシー=神との合一>へ至る手法が「研究」されるのは当然の成り行きだろう。
 「・・事実ヒンドゥー文化には多くの媚薬を用いてきた伝統がある。」
 惚れ薬、淫乱剤、強精剤、持続剤といった媚薬の知識を持ち時と場合によって使い分けることは、性愛術の重要な一要素であった。・・・

 「麻薬と媚薬の、そして香料のつながりも深い。古代インドでは大麻は神聖なものとされ、大麻の葉を乾かして吸うガンジャは現代にも残るが、その起源は、浮気者の夫・シヴァ神の心を自分につなぎ止めておくために、妻・パルバティが焚いた大麻の花の香りであったとされる。」
 大麻を焚いた香りは効果抜群で、その後は夫婦和合するようになったという。
 媚薬的効果の高い香料として忘れてならないのは、なんと言ってもムスク(麝香)とアンバーグリス(龍ゼン香)である。 


  発情の匂い 

 太古から人間は(現代では遊牧民は)、野生の動物や家畜の山羊や羊などのメスが発情期になると独特の匂いを発し、それにオスが反応し、興奮してメスを追い回して交尾に至る光景を目にしてきた。
 こうしてフェロモンという言葉ができるずっと前から、動物の発する性的誘引力のある匂いの存在に多くの民族が気づいていた。

 人類には発情期というべきものがなく、いちねんを通じて常に「発情」できる。
 言い換えれば、人間は本能によってはセックスすることは出来なくなった動物で、常にセックスへ向かわせるような工夫をしなければならなくなった。
 媚薬というものも、そういう工夫のひとつとも言える。・・・

 しかし、動物の発する「フェロモン」に気づいたとしても、それをいざ媚薬に応用しようとしてもそれは、そう簡単なことではない。
 植物由来のものと違い、動物の場合例えば発情したメスの山羊を殺しても、その匂いの元となるものが採れるわけではないからだ。(植物の場合、乾燥や粉砕などの方法で可能だが)

  
 麝香(じゃこう)がどのような経緯で発見されたかはいまだに謎であるが、動物の匂いを香料として保存することは不可能だったに違いない。
 「動物の精力を媚薬として取り入れようとする場合、その匂いを使うのではなく、睾丸や陰茎といったからだの一部分であることがほとんどだった。・・・要するに精力の強い動物の睾丸を食べれば精がつくだろうというような発想である。」
 
 「麝香はジャコウジカという小型の鹿のオスを捕まえ、下腹部から香嚢(こうのう)と呼ばれる袋状の塊を取り出し、中にあるゼリー状の分泌物を切りとって乾燥させることで得られる。
 この香りを得ようとしてジャコウジカを捕らえ、試行錯誤の末ついにこの「匂い袋」を見つけだしたのだとしたら、それはほとんど奇跡にちかいのではないか。
 数千種類といわれる天然の香料の中で、現在まで使われている動物由来の香料はたったの四種類しかない。麝香と龍涎(ぜん)香、それに霊猫香(れいびょうこう)=シベット、とカストリウムがそれである。このうち龍涎香は動物性天然香料とは呼ばれるものの、マッコウクジラの腸内結石の一種といわれていて、クジラのからだに備わった腺組織が作り出すものではない。したがってこの龍涎香を除いたわずか三つだけが、直接動物の分泌腺が作り出したものから採られた香料ということになる。
 逆に考えると、芳香や媚薬としての匂いを求めて、他にも無数の動物を犠牲にして香料となるような線組織を探してきたにもかかわらず、ムスクやシベットに匹敵するような匂いの塊はついに発見できなかったということなのかもしれない。」

 ジャコウジカは、このムスクの香りを実際メスを引き寄せるのに使っているらしい。
 「いわゆるフェロモンの一種ということになるが、動物の性フェロモンがみな人間にとって良い匂いかというと、とてもそんなことは言えそうもない。・・・ジャコウジカだけが特別なのである。」

 なぜ、ムスクだけがこんなにも人間を魅了するのだろうか。 
           
           (続)   
 
 
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