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名著・旧著紹介 
 *『匂いのエロティシズム』 鈴木隆 集英社新書 2002.2.20刊 \680+税  
 

  <著者紹介>
 
 1961年東京生まれ 85年早大仏文卒 高砂香料工業株入社、 86-90年高砂香料ヨーロッパ研究所
 勤務 パフューマー(調香師)としてのトレーニングと実務経験を経て、
 2000年からTAKASAGO・USA勤務

 著書に『匂いの身体論』(八坂書房)『悪臭学人体論』(イーストプレス)がある。
   
 <目次>を観ただけでも魅かれるものを感じる本たちがいるものだ。

 この本もそういう一冊。先ず、目次の案内から、内容のランダムな紹介へ進む。

  ************

 <目 次>
 序 章     異性の匂い
 第一章     媚薬と香り
 第二章     エロスの進化論
 第三章     フェロモンからエロスへ
 第四章     鼻とセックス
 第五章     匂いに感じる人々
 終章      匂いのエロティシズム
 あとがき

 **************

 以下は、興味深い内容をランダムに紹介していこう。(文末の数字はページ)

 巻頭から告白的回顧調の文章が、なぜか心地よい。

 ***************
 「忘れられない匂いがある。
 はるか昔、私が高校生の頃の話である。男子校の生徒だった私は、ふだん同じ年ごろの異性というものに接する機会もなく、ただ学校と家を往復する日々を送っていた。
 あるとき、クラスの友人の家に遊びに行くことがあった。(多摩川沿いのかなり大きな家)

 友人の部屋で画集を見たり、ドビュッシーのレコードをかけたり、・・」
 (しばらくして、トイレを借りてまた部屋に戻ろうとした途中に友人のお姉さんの部屋があり、その部屋のドアが少し開いていた。)
 「・・(お姉さんは)部屋にいるのだろうか。胸の鼓動が高まるのを感じながら、その前を通り過ぎるとき部屋の中を覗いてみた。すぐに人の気配のないのがわかり、大胆にも、私は立ち止まって扉をもう少し広く開けようとしていた。・・

 カーテンが半分ほど開きかかった室内は薄暗く、それだけに一層何か悪いことをしているような気にさせたが、好奇心で一杯になった私は半身を扉の開いた部分から中に入れようとしていた。ベッドの上の乱れた布団や何気なく置かれたパジャマが目に飛び込んでくるのと、その匂いを感じたのはほとんど同時だった。いや、においを感じたというより、そのときの印象はにおいに包まれたという感じだった。

 それは、若い女のにおいと言ってしまえばそれまでだが、シーツの上に投げだされたしなやかな肢体のような賭け布団の姿と肌触りのよさそうなパジャマから漂う肌のようなにおいと、シャンプーの香りなのか化粧品なのか、髪の毛のにおいのようでもある何とも女っぽい香りがまざりあった、心地よい、体から力の抜けていきそうなにおいであった。
 その快さに立ち尽くす格好になったが、人に見つかるのを恐れる気持ちが働き、あわてて友人の部屋に戻ったのだった。

 もう一度あのにおいを嗅ぎたいと心の底から願ってはいたが、あの部屋に入る理由が見つからない。次第に、あのにおいが失ってしまった大切なものに感じられてくる。その後はそわそわと落ち着かず、話も上の空になってじき暇乞いをすることになった。」・・・(お姉さんは弥生さんといった)

 「・・今でもあのときのにおいを思い浮かべることができるし、そのにおいを嗅ぐことを想像するだけで、なんとも胸のうちがくすぐったくなるような切なさと同時に、今でははっきりとエロティックなものとわかるある種の心地よさを覚える。・・・
 ・・ずっと後になって、その友人の結婚式に呼ばれたときに、私は初めて弥生さんと顔を合わせることになる。(美しい人妻として)・・
 けれど、その姿にはあのときの弥生さんのにおいと結びつくものが何もないような気がした。イメージと違った、という意味ではない。私がそのにおいを嗅いで自分の中に育ててしまったものと弥生さん本人とは、そもそもつながりのありようがなかったのだ。」
 「将来自分が香りやにおいの仕事に携わるなどとは夢にも思わずにいた時期に出会った、この異性のにおいの魅力。エロスの底知れぬ深さについてもほとんど何も知らなかったはずの、17歳の私が初めて体験した、人生という闇の中でにおいとエロスがぶつかりあって閃光をきらめかせる瞬間である。結果的に、その後の私の人生がこのエロスとにおいをめぐって行き惑う営みに等しかったことに気づくと、我がことながら驚きでもあり、また不思議な気分にもなってくる。・・・」(以上p8~11)
 ***************

 こう書いて、次に著者は「この現象の中に、においとエロスをめぐる現代のさまざまな様相や矛盾が凝縮された形で呈示されているような気がする」90年代前半の「ブルセラ現象」から本文を始めていく。
 「ブルセラ、ブルマーとセーラー服を合成した造語だそうだが、ブルセラショップというのがあって、そこでは女子高生が身につけた服や下着、靴、靴下体操着などが売られている。・・・」(p12) 

          (続)
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